すいすい通信 vol.130 2022年1月号

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☆ すいすい通信 ☆ vol.130 2022年1月5日配信

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こんにちは。リーゾの門奈です。新年あけましておめでとうございます。

それでは、今月のすいすい通信をお届けします。

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・特集・・・・・・・・・・・・・・・イグサ鑑定サービス終了
・零細起業のあれこれ・・・・・・・零細起業時のおすすめ本5
・コーヒーブレイク・・・・・・・・・・・・・へんないきもの
・リーゾからのお知らせ


■ 特 集 ━━━━━━━・・・・‥‥‥………………………

イグサ鑑定サービス終了

リーゾ開業ホヤホヤの2009年から提供し続けてきた、イグサのDNA鑑定サービスが、このほどその役割をまっとうしました。

理由は、熊本県が育成した優良なイグサ品種「ひのみどり」の育成者権(種苗権)が、昨年6月に消滅したためです(植物の品種の育成者権は、樹木などの木本植物は30年、それ以外は25年で消滅します)。

この検査はもともと、ひのみどりが海外に持ち出されて栽培され、畳表として日本に輸入されるとイグサ農家の損害となるため、摘発して輸入を差し止め、農家を守るための検査としてスタートしました。

原理は、SSR法(遺伝子上の繰り返し配列の数の違いを調べる)。ひのみどりとそれ以外とで違いのあることがわかっている部位をPCRと電気泳動で確認します。農研機構が特許を持つ手法で、リーゾはライセンス契約をして利用していました。

実際始めてみると、善意の輸入業者が、安心して輸入するために利用する例が多かったです。ビジネスの世界らしく、「早く結果が知りたい」という声も切実で、検査自体をスピードアップするのはもちろん、結果をメールで速報するなど工夫してきました。

12年間で結果報告した試料は170個。たくさんご利用いただき、零細リーゾの売上にも貢献してくれました。感謝です。

さて先日、イグサの鑑定をしてほしいという相談があり、上記を説明して必要ないのではと言ったら、(イグサかどうか)種の鑑定を、という相談でした。そういうことならと植物種の鑑定に切り替えて、無事に結果を出してご報告しました。

そういえば昨年の秋頃、「しめ縄」の材料の鑑定を頼まれることが複数回ありました(結果は「マコモ」)。不思議に思っていましたが、理由は植物防疫にあるようで、「イネのわら」は輸入が禁止されているため、材料がイネでないことを確認する必要があるそう。おそらくイグサのご相談も、植物防疫関連ではないかと推測しています。

植物種のDNA鑑定の需要は意外と多く、開始して2年で50件以上のご依頼を受けました。ご相談だけだともっと多いのですが、『なんの品種か調べてほしい』、『個体どうしが同じ(親子)か証明してほしい』などのご相談は、残念ながらお断りしています(リーゾでできるのは、「種」の同定までです)。

変わったところでは、某警察署から、証拠品のおがくずが容疑者の家の木のものか調べたいというご相談がありました。同じ植物種かどうかならわかります、とはお答えしましたが、それではダメだったようで、お役に立てずでした・・・。

なお、品種の鑑定については、植物種のDNA鑑定サービスでは対応していませんが、鑑定方法が確立されていて、特許権などで縛られていない(自由に使える)のであれば、特注でお引き受けすることが可能です。もちろん、リーゾの貧しい設備でできる範囲ではありますが。まずはご相談いただければ幸いです。

ひのみどりの検査については、過去のブログに詳しく説明しています。
(背景)
http://rizo-inc.cocolog-nifty.com/blog/2009/10/dna-7d41.html
(原理)
http://rizo-inc.cocolog-nifty.com/blog/2009/10/post-b27d.html
(サービス紹介)
http://rizo-inc.cocolog-nifty.com/blog/2009/10/dna-78d6.html

植物種のDNA鑑定サービスについてはこちら
https://rizo.co.jp/plantidentify.html


■ 零細起業のあれこれ  ━━━━━・・・・・・・‥‥………

零細起業時のおすすめ本5

駆け出し経営者時代(今も駆け出しではありますが)、先が見えない不安の中で、図書館の「商業」「経済」の棚を端から借りて浅く広く読みあさり、心に響いた本ををブログに紹介する、ということをしてました。

起業したての人、これから起業する人にも、大事なことを教えてくれる本ばかり。すいすい通信ではこれまでに17冊分をご紹介しました。今回はその続きの最終回です。

ここではそれぞれ簡単に紹介し、リンク先の古~いブログ記事で詳細をご覧いただければと思います。あくまで独自視点での紹介です。本編を読むとっかかりにでもしていただければうれしいです。

※ご紹介第一弾、その1~その5はすいすい通信vol.115、
その6~10はすいすい通信vol.119
その11~14はすいすい通信vol.124
その15~17はすいすい通信vol.126にあります
http://rizo.co.jp/suisui115.html
https://rizo.co.jp/suisui119.html 
https://rizo.co.jp/suisui124.html
https://rizo.co.jp/suisui126.html

その18『不恰好経営 チームDeNAの挑戦』
南場智子 著
日本経済新聞出版社
(2014年3月6日にご紹介)
http://rizo-inc.cocolog-nifty.com/blog/2014/03/post-f122.html

「起業した女性」というカテゴリは同じであるものの、ぜんぜんレベルが違う、空の上にいるような存在だと思っていたのですが、最初はやっぱり貧乏臭く、苦労して始めたんだなーということがわかって、安心すると同時に、勇気をもらえた一冊でした。

『正しい選択肢を選ぶことは当然重要だが、それと同等以上に、選んだ選択肢を正しくすることが重要となる』経営者、業界のリーダーとしての言葉ですが、迷いながら全力で選んだ道を正しくすることは、人生の歩み方にもあてはまると思います。

その19『価値』が伝わるしくみのつくり方
新城健一 著
ユーキャン自由国民社
(2014年6月11日にご紹介)
http://rizo-inc.cocolog-nifty.com/blog/2014/06/post-2d6c.html

著者の新城さんのお仕事は「サービスプロデューサー」で、サービスとは、『企業の<理論>と顧客の<感情>という2つのストーリーを結びつけるしくみ』のことです。

提供している価値を、顧客に理解してもらうのは難しいので、思わず巻き込まれたくなるような世界観と、楽しみながらいつの間にか理解してしまうしくみを提供する、ということらしいです。

「ビールのCM見るとビールが飲みたくなるけどメーカー名は覚えてない」という現象と対策法も、この本を読むとわかります。

その20「ジャスト・スタート 起業家に学ぶ予測不能な未来の生き抜き方」
レオナード・A・シュレジンジャー 他著
阪急コミュニケーションズ 刊
(2014年8月26日にご紹介)
http://rizo-inc.cocolog-nifty.com/blog/2014/08/post-d82a.html

未来は予測不能。だから、まず行動し、学んで、修正してまた行動、を成功するまで繰り返せばよい。そのために必要なのは、まず欲求、そして許容損害の見極め、最後に手段、です。

結局のところ、世の中の起業家は、そのイメージに反して、かなり臆病で慎重で、一見貧乏くさいことをしているらしく、なんだリーゾと同じじゃん!とわかり安心しました。

できれば起業する前に出会いたかった本でした。起業するつもりの方は、ぜひ読んでください。

その21「リ・インベンション 概念のブレークスルーをどう生み出すか」
三品和広+三品ゼミ 著
東洋経済出版社 刊
(2014年11月25日にご紹介)
http://rizo-inc.cocolog-nifty.com/blog/2014/11/21-079e.html

リ・インベンションとは直訳すれば「(製品や事業の)再発明」。イノベーションとは違う、という主張です。

例えば、携帯電話の進歩はイノベーションで、スマホはリ・インベンション。イノベーションだけで競争していると、勝者なき戦いになりがち。全く新しい価値基準を打ち立て、変化に先んじる挑戦を行う必要があります。それがリ・インベンションです。

ヒントは「取り残された人々」「コアユーザー以外の層」に目を向けることと、「細かいところへのこだわり」だそう。使う人に対する温かいまなざしと、顧客満足の徹底追求が重要であるならば、自由で機動力のある零細にこそ、勝機がありそうに思えてきます。

以上、今回は4冊、合計21冊をご紹介してきました。よろしければ、リンク先のブログ記事も読んでみてください。もちろん書籍そのものもぜひ!

リーゾのオフィシャルブログ(最近の記事、あまり充実してませんが)はこちらです
http://rizo-inc.cocolog-nifty.com/


■ コーヒーブレイク━━━━・・・・・‥‥‥……

へんないきもの

先日、息子が小さい頃に読んでいた「へんないきもの」という本を納戸でみつけました。しばらくメルカリに出しても売れることなく、しかたない、捨てるかな・・・と思いながらぱらぱらめくってみると意外とおもしろく、捨てるのをやめて読んでしまいました。

地球の片隅で、あまり人間に知られることなく生息している、愛すべき「へんないきもの」たちにスポットを当て、その生きざまをリアルなイラストとともに、ユーモラスに、でも科学的に、ときにディスりながらの解説を加えている本です。

いきなり最初の生き物「タコブネ」から、「オスのペニス足はメスに挿入すると切断されてしまう」という衝撃の事実と、それを知った男性諸氏が見るであろう悪夢についてのかなりオトナな記述にびっくり(小学生にこれ読ませちゃったよ!といまさら心配するのんきな親です)。

どんな「へんないきもの」がいるのか、個人的に好きな(というと語弊があるので、気になった、くらいにしときましょうか)いきものを少しだけ紹介します。

ウミウシの仲間のムカデメリベは、パイプ詰まり解消に使うラバーカップ(トイレスッポン)のような大きな口が体の半分くらいを占めてます。イシガキリュウグウウミウシ、ヤマトメリベ、オオグチボヤ、アミガサクラゲも大口仲間。自然界では、食べることがいかに大事か、ということがよくわかります。

ど根性ガエルなみの平面ぶりで、背中に卵を埋め込んで100日間育てるというコモリガエルも衝撃です。背中の無数の穴から子ガエルが飛び出していくシーンのイラストには鳥肌立ちました。

深海8,000メートルに生息するセンジュナマコは、ゴム手袋を膨らませたような外観で、「ポケモンみたいでかわいい」と深海生物フィギュアつき飲料の人気キャラだったそうです。

実物を見たことのあるものもあります。コウガイビルは、ハンマーのような頭と長いひも状の黄色い体を持ち、雨上がりの山道などで見かけます。

プラナリアはメダカ池にいつの間にか住んでいて、漫画のようなふざけた顔をしてます。半分に切ると2匹になることで有名です。ちなみにコウガイビルもプラナリアも、頭部に口はなく、お腹から口(口吻)がニューっと出てきて他の動物の体液を吸います。シュールです。

ほかにも、童謡のイメージと実態が正反対のアイアイとか、愛くるしい外見のわりにやたらと仲間を威嚇するブチクスクスとか、高級ウニ4トンを3頭で食べつくすラッコとか、哺乳類にも実はへんなのがたくさんいるようです。

そんな中で、私のいちばんのお気に入り(というと語弊があるので、いちばんウケたやつ、としておきましょう)は、ミミックオクトパスという形態模写をするタコです。状況に合わせて、イソギンチャク、ウミヘビ、ミノカサゴ、カニ・・・と40種類もの物真似をして身を守ったり狩りをしたり。素晴らしい才能です。

読んでいると、なんだか癒されるのですよね。へんないきものたちへの(ディスりつつも)愛情あふれる解説を読むうちに、どんないきものにも居場所があるという事実に、少し変わった生き方をしているわが身を重ねて安心感を覚えるのかもしれません。

人間も、他の生物から見たらきっと「へんないきもの」でしょう。ビバ生物の多様性。出会うことはなくても(あまり出会いたくないいきものが多い)、お互い邪魔せず、リスペクトしあって生きていこうね、という気持ちになりました。

参考書籍「へんないきもの」早川いくを 著 バジリコ株式会社


■ リーゾからのお知らせ  ━━━━━・・・・・・・‥‥……

〇実験補助セミナー開講中

少人数で質問も実習もたっぷりできるセミプライベートレッスン。今年度は感染対策を講じた上で開講しております。

最終回となる次回は1月19日(水)に、コロナ検査で有名になった「PCR」を学びます。ここだけの受講もOKです。

詳しくはこちら
https://rizo.co.jp/seminer.html

〇美食同玄米パックごはん、新ロット入荷しました

2160パック(12個入り180箱)製造していただきました。賞味期限は2022年10月です(フードロス削減のため、賞味期限に「日」の表示はなくなりました)。それまでに売り切れるか?また挑戦の日々が始まります。

美食同玄米販売サイト(BASE)
https://rizonookome.rizo.co.jp/

インスタグラムも継続中です。
https://www.instagram.com/rizonookome/

○交配袋、特注品はお早めのご依頼を

交配袋特注品のご注文が大変混みあっております。状況によっては年度内納品が難しくなる可能性もあります。できるだけ早めのご注文をお願いいたします。

交配袋のページはこちらです
http://www.rizo.co.jp/crossingbag.html


■ 編 集 後 記 ━━━━━━━━━━━・・・・‥‥‥…

○今年もリーゾからの賀状は控え、すいすい通信で新年のご挨拶に代えさせていただきます。本年も、スタッフ一同協力しあって世の中のお役に立てるよう努めて参ります。どうぞよろしくお願いいたします。

○ある植物の乾燥葉からのDNA抽出がどうしてもうまくいかず、論文情報を集めまくっていろいろ試し、ついに抽出方法を確立しました!達成感、半端ないです♪これほど難しい材料は珍しいですがどこかで役に立つかも。ちなみに「試料粉砕後に糖アルコールを含む溶液で洗浄してから抽出に進む」という方法です。

○年を追うごとに手抜きが進む我が家のおせち。今年は田作り、数の子、かまぼこ、豚の角煮、刺身、市販の洋風オードブルなどしょっぱい系のみ。きんとん、黒豆、伊達巻など甘いおせちは抜きで臨みました。酒の肴が欲しい夫と、ごはんのおかずが欲しい娘、どちらからも不平は出ず、しめしめです。

○最後までお読みいただき、ありがとうございました。これからもリーゾとすいすい通信をどうぞよろしくお願いいたします。

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すいすい通信は、「株式会社リーゾ」のお客様、および関係者の皆様にお送りしています。この号は997名様に配信しました。お知り合いで、「すいすい通信」の配信を承認していただける方がいらっしゃいましたら、ぜひご紹介くださいますよう、お願いいたします。配信登録はこちらからできます。
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【すいすい通信】

発 行 日:月1回・第1水曜日(予定) 発行開始日:2011年4月7日
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