すいすい通信 vol.144 2023年3月号
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☆ すいすい通信 ☆ vol.144 2023年3月1日配信
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こんにちは。リーゾの門奈です。
今月の「すいすい通信」をお届けいたします。
_/_/_/_/ I N D E X _/_/_/_/_/_/_/_/_//_/_/_/_/_/_/_/
・特集・・・・・・・・・・・・・・・・「交配袋」の近況報告
・零細起業のあれこれ・・・・「改正電帳法」対策、どうしよう
・コーヒーブレイク・・・・・・・・・・食と命とエントロピー
・リーゾからのお知らせ
■ 特 集 ━━━━━━━・・・・‥‥‥………………………
「交配袋」の近況報告
「交配袋」とは、植物の育種や研究において、
人工授粉や純系維持を行う際に、
計画外の花粉が入らないように、
開花後の花穂に被せておく袋です。
光と空気をよく通す、花粉を通さない、
濡れても破れずすぐに乾く、
植物体に負担をかけない薄さと軽さ、
紫外線で劣化しにい・・・などなど、
求められる機能は多々あります。
リーゾでは、お客様である農学研究者さんの
ご要望に応える形で、
2012年から研究用の交配袋を
製作・販売してきました。
リーゾの交配袋は、
平均孔径2~3ミクロンのポリエステル製、
国産の高機能不織布を使い、自社でカット、
ポリシーラーで成形して手作りしています。
このため、様々な植物種に対応するサイズで、
100枚単位という小ロットでの製作・販売が可能です。
完全手作りのため、大量生産はできないのですが、
例えば
・中が見えるように窓付きにしてほしい
・片面透明にしてほしい
・株ごと覆えるサイズで作ってほしい
・底をシールせず筒状にしてほしい
などのご要望にも応えて特注でお作りしています。
そんな交配袋ですが、昨年の夏から
米国Amazonに出品しています
(その顛末はVol.137をご参照ください)。
出品してしばらくは全く売れず、死蔵在庫になるのか・・・
とどんよりしておりましたが、
暮れに100枚、今年になって600枚、売れました。
そしてそのタイミングで
『この商品は英国で高い需要があります』
などという表示が出ました。
自動表示かもですが、
そんなこと言われたら売りたくなるのが人情です。
でも、欧州は別の手続きが必要でめんどくさいし、
そもそも英国には交配袋の老舗メーカーがあります。
他社と競合しないポリシーで平和にやってきたリーゾとしては、
悩ましいところです・・・。
日本国内では、昨年秋からおなじみ
アズワンカタログに掲載しました。
こちらもぼちぼちですが
ご利用いただけるようになってきています。
となると問題になるのは製造能力なのですが・・・
相変わらず、手作りを続けております。
そういえば最近、久しぶりに
製造工程のプチイノベーションがありましたので、
ついでにご紹介します。
原料不織布の巨大なロールから
不織布を引っ張り出してカットする工程で、
スチールラックで自作したディスペンサーの回転軸と
ロールの芯の間に「ベアリング」をかましたところ、
劇的に!スムーズに回るようになりました。
不織布の端っこを2カ所つまんで
「ヨイショっ!」
と身体全体で引っ張っていたのが噓のよう・・・
まったく力が要りません。
つまんだ部分が指の形に伸びてしまう悩みが解消して、
仕上がりも美しくなりました。
ベアリング万歳。
思いついたスタッフYさんグッジョブです。
1ロールにつき、ベアリングを2個はめてます。
ぴったりのサイズはなく、少し隙間がありますが全く問題なし。
Amazonで1個700円。
もっと早く気付けば良かったです。
米国Amazonへの出品顛末はこちら
https://rizo.co.jp/suisui137.html
交配袋の製造工程と、過去のプチイノベーションはこちら
https://rizo.co.jp/suisui116.html
交配袋のウェブサイトはこちら
https://rizo.co.jp/crossingbag.html
■ 零細起業のあれこれ ━━━━━・・・・・・・‥‥………
「改正電帳法」対策、どうしよう
電帳法(電子帳簿保存法)が改正され、
昨年1月から施行されました。
そもそも電帳法とは何のためにあった法律かと言うと、
従来、会社の帳簿や証憑(請求書、領収書など)は
「紙」で保管するのが普通、
というよりそれしか保存方法がない時代が長く続きました。
インターネットやメールが普及し、
請求書や領収書をPDFで発行したり、
ダウンロードして取得したりできるようになってくると、
わざわざ紙に印刷して保管するのは地球に優しくない、
という風潮になってきました。
ということで、
「電子データで受け取った証憑は、
電子データで保存してもいいよ」
という趣旨の法律ができました。
これが電帳法です。
つまり、印刷して紙で保管する会社(リーゾもそう)
にとっては、気にしなくてよい法律でした。
ところが!
今回の改正では、どうやら
「規模にかかわらず、全事業主が」
対応を迫られる事態となっているらしいとわかりました。
改正のポイントは
「ペーパーレス化を推進するため、
帳簿も証憑もできるだけ電子データで保存せよ」
ということのようです。
要するに、今までは印刷して保管しておけばOKだったものが、
もらった(ダウンロードした)、
および自社が電子データで発行したものは
電子データのまま保存しなくてはならない
(紙だけではダメ)、ということになりました。
それなら、印刷したあと、
捨てずにデータを保存しとけばいいだけか・・・
と思ったらそうではないんです。
データの『真実性』と『可視性』を
担保しなくてはなりません。
真実性とは、日付や内容の改ざんがされていないことの証明で、
そのためには、例えば
PDFをもらったらすぐに「タイムスタンプ」を押す
(その日以降、修正がないことが証明される)、
などする必要があります。
可視性とは、相手先や日付、金額で検索可能なように
ファイル名をつけること。
および、いつでも中身が見られるよう
ディスプレイやプリンタを備えつけておくこと、です。
なお、改正電帳法では、
いわゆる「帳簿」(複式簿記の)についても
電子帳簿で(真実性を担保して)保存する必要があります。
で、零細リーゾでどう対応するか?という話ですが・・・
まず帳簿については、開業当初から利用している
「弥生会計」という会計ソフトが
帳簿の電子保存機能を備えており、
それを使えば問題なさそうです。
請求書や領収書は、現在は紙でファイルしていますが、
電子データで発行したり受け取ったりするものについては、
「日付」「相手先」「金額」を入れたファイル名をつける予定です。
さらに、タイムスタンプを押して(AcrobatReaderの機能を使い
タダで押せる方法あり)、注文書、見積書、納品書、請求書など
のフォルダに保存しようと考えています。
改正電帳法は昨年1月から施行されていますが、
対応が難しい中小企業には2年間の猶予期間があるそうで
(助かりました!)、
2023年12月末までは、なんとかこれで行けそうです。
ですが、問題はそこから先。
紙で保管しているものもスキャンして
電子データ化すべきらしいのですが、
作業量を考えると気が遠くなりそう・・・。
作業がラクになるシステムはたくさん出ているものの、
自社に合うものを選定するのが面倒だし、
どれも高額だしで気が重いです。
さらに今年10月からは「インボイス制度」も開始になります。
インボイス制度については、
すでに適格請求書発行事業者番号を取得し、
自社が発行する請求書の書式を変更するところまでは対応済み。
受け取る側としての準備(全取引先の番号を確認するとか?)
はまだまだで、こちらも気が重いです。
消費税軽減税率導入の時もそうでしたが、
ただでさえお金もマンパワーもない零細にとって、
新制度を勉強して対応するのは大きな負担です。
きっと社会的意義のある新制度なのだろうと信じて、
ぶつくさ言いながらがんばるしかありません。
■ コーヒーブレイク━━━━━・・・・・‥‥‥…
食と命とエントロピー
突然ですが、生物にとって、食べることの意味は何でしょう。
よくたとえられるのは、生き物にとっての食べ物は、
自動車にとってのガソリンのようなもの(エネルギー源)。
ですが、これは実はおおきな誤解です。
生きているということは、
自分の身体の器官や組織、細胞を
どんどん壊して捨てていきながら、
食べ物から取り込んだ材料を使って
新しいものを作って置き換えていき、
全体として常に同等の状態を維持し続けている、
ということです。
この状態に名前をつけたのが、『動的平衡』です。
言われてみれば確かに、
「無生物」であるモノや機械は、
人為的にやらない限り中身が入れ替わ変わることはないし、
死体は分解するばかりで
新しい細胞ができることはありません。
生物と無生物の違いは自己増殖するか否か
という考えがありましたが、
自己増殖しない生物もいるし、
自己増殖するけど生物ではないものも結構あります
(コンピュータウイルスとか?)。
動的平衡の有無は、生物と無生物を分ける
決定的な違いと言えるかもしれません。
ヒトの身体でいちばん入れ替わりが速いのは、
腸の内壁の細胞で、
だいたい3日で入れ替わるそうです。
便は食べ物のカスも含みますが、
「捨てられる腸の細胞」が何割かを占めているとか。
皮膚のターンオーバーは1~2か月と言われてますし、
たぶん半年程度で、私たちは(材料的には)
完全に別人になってしまっているのではないでしょうか。
つまり、食べ物から取り込むのはエネルギーだけではなく、
捨ててしまう身体の一部を再構成するのに必要なすべてのもの。
今日食べているものが、明日以降の自分を作っている、
というのは本当なんですね。
こうなると、
「食べることは生きること」
「生きることは食べること」
という言葉がすんなり腑に落ちてきます。
とはいえ、一日三食、ちゃんと考えて食べる
(あるいは、食べさせる)って結構めんどくさいもので、
食事って必要悪だよなあ、なんてバチあたりなことを
考えた時期もありました。
でも、子供の頃は親のおかげで、
大人になってからは自分自身で、
わりとちゃんとした食事をして来たおかげで、
丈夫で健康な身体を維持していられるのだと思うと、
良い食材が自由に手に入る環境
(今のところ日本は平和だし、農産物に恵まれてるし、
買うためのお金を得る仕事もあるし)
も含めて、「食べられる」ってありがたいな、
と再認識しました。
話は変わりますが、現代人にはストレスが多いと言います。
ストレス応答というのは、本来は悪いものではなくて、
外敵からの逃避や魅力的な異性の獲得のために、
必要に応じて心拍が上がり、
筋肉に力が入るなどする「生命維持に必要な反応」で、
危機を脱したら直ちに平常に戻るものでした。
でも、現代では、お金がないとか、いじめに遭うとか、
危機が一時的ですまず、
ストレス応答状態が長く継続してしまうことが問題になります。
なぜなら、生命にとって一番大事な「動的平衡の維持」に
必要な活動がおろそかになってしまうから。
古い組織を捨てられないと、変異を起こした細胞の増殖を許し、
病気の原因になることは容易に想像できます。
消化吸収の力が落ちれば、再構築が遅れて老化が進み、
動的平衡の終了=死に近づきます。
ストレス応答の継続恐るべしです。
さて、「動的平衡」という言葉で
お気づきの方も多いと思いますが、
この話は生物学者で青山学院大学教授の
福岡伸一先生の受け売りです。
先日、ラジオに出演されていたときのお話に
いたく感銘を受けて、自分なりにまとめてご紹介しました。
お話の中で、生命は「エントロピー増大の法則」の
下り坂を転げ落ちるのを、
動的平衡によって懸命に逆らい、
なんとか同じところに居続けているようなものだ、
と仰っていました。
それでも永遠に逆らうことはできず、
必ず死を迎えるのですが、
死はほかの生命に動的平衡を譲り渡すことにほかならず、
最大の利他的行為と考えることができる、とも。
穏やかな語り口と、ものすごくわかりやすい説明に、
実家で母孝行した帰りの長い運転中に、
知的な癒し(と、すばらしいメルマガネタ)をいただきました。
福岡先生に感謝です♪
■ リーゾからのお知らせ ━━━━━・・・・・・・‥‥……
〇紙の資料の電子化<お試しキャンペーン>今月末まで実施中
冊子1冊、あるいは一部を、30ページくらいまで、
無料でスキャンしてPDFにします。
※データのお渡しは費用がかからない方法
(圧縮してメール添付かダウンロード方式)でお渡しします
※往復の冊子送料は、ご依頼主様負担でお願いします
(返送用封筒を同封してお送りいただけると助かります)
どのくらいきれいに電子化できるのか、まずは確かめてください。
そのうえで、「ここはこうして欲しい」などのご要望もください。
サービス内容とスキャン技術のブラッシュアップに
つなげていきたいと思います。
本メールに返信、またはリーゾウェブサイト
お問い合わせフォームからご連絡ください。
https://rizo.co.jp/otoiawase.html
■ 編 集 後 記 ━━━━━━━━━━━・・・・‥‥‥…
○不織布のロールの回転を良くするために、
たくさんの丸い棒を間に挟んだらどうですかね・・・
とYさんが模式図を描いていて、
それベアリングというものに似てない?となりました。
一生関係ないモノだと思っていたのに、思いがけないご縁。
こういうときに使うのかと目から鱗。
発明してくれた人に感謝です。
〇サ高住からの自宅ひとり暮らし復帰を実現して
もうすぐ3カ月になる81歳の母。
衰えた身体でも、美味しいものを食べたがる母に、
老いと命と食に考えを巡らしていたまさにその時、
福岡伸一先生のお話は心に沁みました。
質の良い食べ物を求めるのは生命体の当然の欲求。
せっせと美味しいものを届けねば・・・。
○すいすい通信、今月号で満12歳となりました。
いまだに毎号、何を書こうかと悩んだり焦ったり。
そして相変わらずの長い雑文。
あまり成長してない気もしますが、
温かく見守ってくださる読者の皆様に甘えて継続してきました。
調子に乗って来年度も続けるつもりでいます。
適当におつきあいいただければ幸いです。
○最後までお読みいただき、ありがとうございました。
これからもリーゾとすいすい通信を
どうぞよろしくお願いいたします。
/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/
すいすい通信は、「株式会社リーゾ」のお客様、
および関係者の皆様にお送りしています。
お知り合いで、
「すいすい通信」の配信を承認していただける方が
いらっしゃいましたら、
ぜひご紹介くださいますよう、お願いいたします。
配信登録はこちらからできます。
http://rizo.sakura.ne.jp/vd/entry/e/bS8PtaC5kPRXp3iy/
-----------------------------------------------------------
【すいすい通信】
発 行 日:月1回・第1水曜日(予定)
発行開始日:2011年4月7日
ご意見ご感想、および本メールマガジンの解除はこちらまで
info(at)rizo.co.jp
【発行元】
株式会社リーゾ
〒305-0005 茨城県つくば市天久保2-9-5-A03
TEL:029-852-9351 FAX:029-898-9161
MAIL:info(at)rizo.co.jp
HP:http://www.rizo.co.jp/
※本メールは「MSゴシック」などの等幅フォントで
最適に表示されます。
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Copyright(C) Rizo Inc. All rights reserved.
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☆ すいすい通信 ☆ vol.144 2023年3月1日配信
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★★☆★☆★☆★☆★☆★☆
こんにちは。リーゾの門奈です。
今月の「すいすい通信」をお届けいたします。
_/_/_/_/ I N D E X _/_/_/_/_/_/_/_/_//_/_/_/_/_/_/_/
・特集・・・・・・・・・・・・・・・・「交配袋」の近況報告
・零細起業のあれこれ・・・・「改正電帳法」対策、どうしよう
・コーヒーブレイク・・・・・・・・・・食と命とエントロピー
・リーゾからのお知らせ
■ 特 集 ━━━━━━━・・・・‥‥‥………………………
「交配袋」の近況報告
「交配袋」とは、植物の育種や研究において、
人工授粉や純系維持を行う際に、
計画外の花粉が入らないように、
開花後の花穂に被せておく袋です。
光と空気をよく通す、花粉を通さない、
濡れても破れずすぐに乾く、
植物体に負担をかけない薄さと軽さ、
紫外線で劣化しにい・・・などなど、
求められる機能は多々あります。
リーゾでは、お客様である農学研究者さんの
ご要望に応える形で、
2012年から研究用の交配袋を
製作・販売してきました。
リーゾの交配袋は、
平均孔径2~3ミクロンのポリエステル製、
国産の高機能不織布を使い、自社でカット、
ポリシーラーで成形して手作りしています。
このため、様々な植物種に対応するサイズで、
100枚単位という小ロットでの製作・販売が可能です。
完全手作りのため、大量生産はできないのですが、
例えば
・中が見えるように窓付きにしてほしい
・片面透明にしてほしい
・株ごと覆えるサイズで作ってほしい
・底をシールせず筒状にしてほしい
などのご要望にも応えて特注でお作りしています。
そんな交配袋ですが、昨年の夏から
米国Amazonに出品しています
(その顛末はVol.137をご参照ください)。
出品してしばらくは全く売れず、死蔵在庫になるのか・・・
とどんよりしておりましたが、
暮れに100枚、今年になって600枚、売れました。
そしてそのタイミングで
『この商品は英国で高い需要があります』
などという表示が出ました。
自動表示かもですが、
そんなこと言われたら売りたくなるのが人情です。
でも、欧州は別の手続きが必要でめんどくさいし、
そもそも英国には交配袋の老舗メーカーがあります。
他社と競合しないポリシーで平和にやってきたリーゾとしては、
悩ましいところです・・・。
日本国内では、昨年秋からおなじみ
アズワンカタログに掲載しました。
こちらもぼちぼちですが
ご利用いただけるようになってきています。
となると問題になるのは製造能力なのですが・・・
相変わらず、手作りを続けております。
そういえば最近、久しぶりに
製造工程のプチイノベーションがありましたので、
ついでにご紹介します。
原料不織布の巨大なロールから
不織布を引っ張り出してカットする工程で、
スチールラックで自作したディスペンサーの回転軸と
ロールの芯の間に「ベアリング」をかましたところ、
劇的に!スムーズに回るようになりました。
不織布の端っこを2カ所つまんで
「ヨイショっ!」
と身体全体で引っ張っていたのが噓のよう・・・
まったく力が要りません。
つまんだ部分が指の形に伸びてしまう悩みが解消して、
仕上がりも美しくなりました。
ベアリング万歳。
思いついたスタッフYさんグッジョブです。
1ロールにつき、ベアリングを2個はめてます。
ぴったりのサイズはなく、少し隙間がありますが全く問題なし。
Amazonで1個700円。
もっと早く気付けば良かったです。
米国Amazonへの出品顛末はこちら
https://rizo.co.jp/suisui137.html
交配袋の製造工程と、過去のプチイノベーションはこちら
https://rizo.co.jp/suisui116.html
交配袋のウェブサイトはこちら
https://rizo.co.jp/crossingbag.html
■ 零細起業のあれこれ ━━━━━・・・・・・・‥‥………
「改正電帳法」対策、どうしよう
電帳法(電子帳簿保存法)が改正され、
昨年1月から施行されました。
そもそも電帳法とは何のためにあった法律かと言うと、
従来、会社の帳簿や証憑(請求書、領収書など)は
「紙」で保管するのが普通、
というよりそれしか保存方法がない時代が長く続きました。
インターネットやメールが普及し、
請求書や領収書をPDFで発行したり、
ダウンロードして取得したりできるようになってくると、
わざわざ紙に印刷して保管するのは地球に優しくない、
という風潮になってきました。
ということで、
「電子データで受け取った証憑は、
電子データで保存してもいいよ」
という趣旨の法律ができました。
これが電帳法です。
つまり、印刷して紙で保管する会社(リーゾもそう)
にとっては、気にしなくてよい法律でした。
ところが!
今回の改正では、どうやら
「規模にかかわらず、全事業主が」
対応を迫られる事態となっているらしいとわかりました。
改正のポイントは
「ペーパーレス化を推進するため、
帳簿も証憑もできるだけ電子データで保存せよ」
ということのようです。
要するに、今までは印刷して保管しておけばOKだったものが、
もらった(ダウンロードした)、
および自社が電子データで発行したものは
電子データのまま保存しなくてはならない
(紙だけではダメ)、ということになりました。
それなら、印刷したあと、
捨てずにデータを保存しとけばいいだけか・・・
と思ったらそうではないんです。
データの『真実性』と『可視性』を
担保しなくてはなりません。
真実性とは、日付や内容の改ざんがされていないことの証明で、
そのためには、例えば
PDFをもらったらすぐに「タイムスタンプ」を押す
(その日以降、修正がないことが証明される)、
などする必要があります。
可視性とは、相手先や日付、金額で検索可能なように
ファイル名をつけること。
および、いつでも中身が見られるよう
ディスプレイやプリンタを備えつけておくこと、です。
なお、改正電帳法では、
いわゆる「帳簿」(複式簿記の)についても
電子帳簿で(真実性を担保して)保存する必要があります。
で、零細リーゾでどう対応するか?という話ですが・・・
まず帳簿については、開業当初から利用している
「弥生会計」という会計ソフトが
帳簿の電子保存機能を備えており、
それを使えば問題なさそうです。
請求書や領収書は、現在は紙でファイルしていますが、
電子データで発行したり受け取ったりするものについては、
「日付」「相手先」「金額」を入れたファイル名をつける予定です。
さらに、タイムスタンプを押して(AcrobatReaderの機能を使い
タダで押せる方法あり)、注文書、見積書、納品書、請求書など
のフォルダに保存しようと考えています。
改正電帳法は昨年1月から施行されていますが、
対応が難しい中小企業には2年間の猶予期間があるそうで
(助かりました!)、
2023年12月末までは、なんとかこれで行けそうです。
ですが、問題はそこから先。
紙で保管しているものもスキャンして
電子データ化すべきらしいのですが、
作業量を考えると気が遠くなりそう・・・。
作業がラクになるシステムはたくさん出ているものの、
自社に合うものを選定するのが面倒だし、
どれも高額だしで気が重いです。
さらに今年10月からは「インボイス制度」も開始になります。
インボイス制度については、
すでに適格請求書発行事業者番号を取得し、
自社が発行する請求書の書式を変更するところまでは対応済み。
受け取る側としての準備(全取引先の番号を確認するとか?)
はまだまだで、こちらも気が重いです。
消費税軽減税率導入の時もそうでしたが、
ただでさえお金もマンパワーもない零細にとって、
新制度を勉強して対応するのは大きな負担です。
きっと社会的意義のある新制度なのだろうと信じて、
ぶつくさ言いながらがんばるしかありません。
■ コーヒーブレイク━━━━━・・・・・‥‥‥…
食と命とエントロピー
突然ですが、生物にとって、食べることの意味は何でしょう。
よくたとえられるのは、生き物にとっての食べ物は、
自動車にとってのガソリンのようなもの(エネルギー源)。
ですが、これは実はおおきな誤解です。
生きているということは、
自分の身体の器官や組織、細胞を
どんどん壊して捨てていきながら、
食べ物から取り込んだ材料を使って
新しいものを作って置き換えていき、
全体として常に同等の状態を維持し続けている、
ということです。
この状態に名前をつけたのが、『動的平衡』です。
言われてみれば確かに、
「無生物」であるモノや機械は、
人為的にやらない限り中身が入れ替わ変わることはないし、
死体は分解するばかりで
新しい細胞ができることはありません。
生物と無生物の違いは自己増殖するか否か
という考えがありましたが、
自己増殖しない生物もいるし、
自己増殖するけど生物ではないものも結構あります
(コンピュータウイルスとか?)。
動的平衡の有無は、生物と無生物を分ける
決定的な違いと言えるかもしれません。
ヒトの身体でいちばん入れ替わりが速いのは、
腸の内壁の細胞で、
だいたい3日で入れ替わるそうです。
便は食べ物のカスも含みますが、
「捨てられる腸の細胞」が何割かを占めているとか。
皮膚のターンオーバーは1~2か月と言われてますし、
たぶん半年程度で、私たちは(材料的には)
完全に別人になってしまっているのではないでしょうか。
つまり、食べ物から取り込むのはエネルギーだけではなく、
捨ててしまう身体の一部を再構成するのに必要なすべてのもの。
今日食べているものが、明日以降の自分を作っている、
というのは本当なんですね。
こうなると、
「食べることは生きること」
「生きることは食べること」
という言葉がすんなり腑に落ちてきます。
とはいえ、一日三食、ちゃんと考えて食べる
(あるいは、食べさせる)って結構めんどくさいもので、
食事って必要悪だよなあ、なんてバチあたりなことを
考えた時期もありました。
でも、子供の頃は親のおかげで、
大人になってからは自分自身で、
わりとちゃんとした食事をして来たおかげで、
丈夫で健康な身体を維持していられるのだと思うと、
良い食材が自由に手に入る環境
(今のところ日本は平和だし、農産物に恵まれてるし、
買うためのお金を得る仕事もあるし)
も含めて、「食べられる」ってありがたいな、
と再認識しました。
話は変わりますが、現代人にはストレスが多いと言います。
ストレス応答というのは、本来は悪いものではなくて、
外敵からの逃避や魅力的な異性の獲得のために、
必要に応じて心拍が上がり、
筋肉に力が入るなどする「生命維持に必要な反応」で、
危機を脱したら直ちに平常に戻るものでした。
でも、現代では、お金がないとか、いじめに遭うとか、
危機が一時的ですまず、
ストレス応答状態が長く継続してしまうことが問題になります。
なぜなら、生命にとって一番大事な「動的平衡の維持」に
必要な活動がおろそかになってしまうから。
古い組織を捨てられないと、変異を起こした細胞の増殖を許し、
病気の原因になることは容易に想像できます。
消化吸収の力が落ちれば、再構築が遅れて老化が進み、
動的平衡の終了=死に近づきます。
ストレス応答の継続恐るべしです。
さて、「動的平衡」という言葉で
お気づきの方も多いと思いますが、
この話は生物学者で青山学院大学教授の
福岡伸一先生の受け売りです。
先日、ラジオに出演されていたときのお話に
いたく感銘を受けて、自分なりにまとめてご紹介しました。
お話の中で、生命は「エントロピー増大の法則」の
下り坂を転げ落ちるのを、
動的平衡によって懸命に逆らい、
なんとか同じところに居続けているようなものだ、
と仰っていました。
それでも永遠に逆らうことはできず、
必ず死を迎えるのですが、
死はほかの生命に動的平衡を譲り渡すことにほかならず、
最大の利他的行為と考えることができる、とも。
穏やかな語り口と、ものすごくわかりやすい説明に、
実家で母孝行した帰りの長い運転中に、
知的な癒し(と、すばらしいメルマガネタ)をいただきました。
福岡先生に感謝です♪
■ リーゾからのお知らせ ━━━━━・・・・・・・‥‥……
〇紙の資料の電子化<お試しキャンペーン>今月末まで実施中
冊子1冊、あるいは一部を、30ページくらいまで、
無料でスキャンしてPDFにします。
※データのお渡しは費用がかからない方法
(圧縮してメール添付かダウンロード方式)でお渡しします
※往復の冊子送料は、ご依頼主様負担でお願いします
(返送用封筒を同封してお送りいただけると助かります)
どのくらいきれいに電子化できるのか、まずは確かめてください。
そのうえで、「ここはこうして欲しい」などのご要望もください。
サービス内容とスキャン技術のブラッシュアップに
つなげていきたいと思います。
本メールに返信、またはリーゾウェブサイト
お問い合わせフォームからご連絡ください。
https://rizo.co.jp/otoiawase.html
■ 編 集 後 記 ━━━━━━━━━━━・・・・‥‥‥…
○不織布のロールの回転を良くするために、
たくさんの丸い棒を間に挟んだらどうですかね・・・
とYさんが模式図を描いていて、
それベアリングというものに似てない?となりました。
一生関係ないモノだと思っていたのに、思いがけないご縁。
こういうときに使うのかと目から鱗。
発明してくれた人に感謝です。
〇サ高住からの自宅ひとり暮らし復帰を実現して
もうすぐ3カ月になる81歳の母。
衰えた身体でも、美味しいものを食べたがる母に、
老いと命と食に考えを巡らしていたまさにその時、
福岡伸一先生のお話は心に沁みました。
質の良い食べ物を求めるのは生命体の当然の欲求。
せっせと美味しいものを届けねば・・・。
○すいすい通信、今月号で満12歳となりました。
いまだに毎号、何を書こうかと悩んだり焦ったり。
そして相変わらずの長い雑文。
あまり成長してない気もしますが、
温かく見守ってくださる読者の皆様に甘えて継続してきました。
調子に乗って来年度も続けるつもりでいます。
適当におつきあいいただければ幸いです。
○最後までお読みいただき、ありがとうございました。
これからもリーゾとすいすい通信を
どうぞよろしくお願いいたします。
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すいすい通信は、「株式会社リーゾ」のお客様、
および関係者の皆様にお送りしています。
お知り合いで、
「すいすい通信」の配信を承認していただける方が
いらっしゃいましたら、
ぜひご紹介くださいますよう、お願いいたします。
配信登録はこちらからできます。
http://rizo.sakura.ne.jp/vd/entry/e/bS8PtaC5kPRXp3iy/
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【すいすい通信】
発 行 日:月1回・第1水曜日(予定)
発行開始日:2011年4月7日
ご意見ご感想、および本メールマガジンの解除はこちらまで
info(at)rizo.co.jp
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