すいすい通信 vol.162 2024年9月号

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☆ すいすい通信 ☆ vol.162 2024年9月4日配信
 
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こんにちは。リーゾの門奈です。

今月の「すいすい通信」をお届けいたします。


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・特集・・・・・・・・・・・・アスパラガス雌雄判定サービス
・零細起業のあれこれ・・・・・・・・・・・経営者と生命保険
・コーヒーブレイク・・・・・・・・・・落雷で家電が壊れたら
・リーゾからのお知らせ


■ 特 集 ━━━━━━━・・・・‥‥‥………………………

アスパラガス雌雄判定サービス

このたびリーゾでは、DNAを用いた
『アスパラガス苗の雌雄判定サービス』の提供を始めました。

この技術は、東北大学准教授の菅野明先生の研究成果であり、
その社会実装の一環として
協力させていただくことになりました。

まずは、菅野先生による研究開発の経緯です。

アスパラガスは、オス個体とメス個体とが存在する、
「雌雄異株」の植物ですが、
苗の段階では、オスかメスかが見た目でわかりません。

ところが畑に植える苗にオスとメスが混ざっていると、
結実してタネが落ちて育った個体が
密生して風通しが悪くなり、
病気が出る、収量が下がるなどの問題が生じます。
これが農家さんの悩みで、『植えられるのが全部雄株なら!』
という切実な願いがありました。

一方、アスパラガスには「間性株」という、
「オス(XY)だけど自家受粉してタネを作れる個体」
が出ることがあります。
これを自殖してできる子供はXX、XY、
そしてYY(!)です。

YYは「超雄株」と呼ばれ、
メスXXと交配してできる子供はすべてオスXY。
こうして作られるのが「全雄品種」になります。

YYかどうかは、成長してからメスXXと掛け合わせて、
できた子供が全員オスXYかどうか
(メスXXが出現するなら普通の雄株になる)で判別します。

が、この方法ですと、
超雄株を判別できるまで数年かかってしまうことに・・・。
ここでDNAの登場です。

Y染色体を検出する
優性のDNAマーカーはすでにありましたが、
これだとYYとXYの区別がつきません。

そこで菅野先生が開発されたのが、
XとYを識別できる共優性のDNAマーカーで、
「雄株」/「雌株」/「超雄株」の相互識別ができる
というものものです。

このマーカーが役に立つのはどんなシーンでしょうか。

用途としては、
・アスパラガス育種のスピードアップ
・全雄品種が本当にそうかどうかの検定
・雌雄別の苗の販売
などがありそうです。
ユーザーは、種苗会社も考えられますが、
どちらかというと育種研究機関や大学研究室など、
研究用需要が多いのでは、とのことでした。

そもそもアスパラの苗の価格自体がそんなに高くないため、
販売用の種苗の鑑定に使うにはコスト的に厳しそう。
研究用途にしても、果たしてどのくらいご依頼があるのか、
まったくわかりません。

なので、特許使用契約では、
「独占は求めない代わりに初期費用はなし、
売上が生じたら決められた割合のロイヤルティを支払う」
という形にしてもらいました。
これなら、零細リーゾにも金銭的リスクがなく、安心です。

研究成果の社会実装を、微力ながらお手伝いしているリーゾ。
前述のとおり、今回も研究者さんへの
「協力」というスタンスで
取り組ませていただいています。

それなら研究成果広報のお手伝いも兼ねて
メルマガで紹介したい、と思い、
研究開発の背景や裏話を菅野先生に直接お聞きする
オンライン面談を設けてもらいました。

アスパラガスが雌雄異株であることはもちろん、
植物体としての姿も知らない
(野菜としてのアスパラのイメージのみ)ど素人に、
初歩からわかりやすく解説してくださり、
たいへん勉強になりました。
前半はそれを私なりに、さらにわかりやすく咀嚼して
(しすぎ?)お伝えしてみたものです。

ちなみに、先生のご専門は植物の花と性に関するご研究。
花については、ユリやランを用いていらっしゃるそうですが、
それに限らず植物全般がお好きそうなご様子。
植物の雌雄判別でお困りの際は
きっと相談に乗ってくださいますよ!

菅野先生のサイトはこちら
https://www.lifesci.tohoku.ac.jp/research/teacher/detail.html?id=1678 

アスパラガス雌雄判別サービスのサイトはこちら
https://rizo.co.jp/asparagus_test.html


■ 零細起業のあれこれ  ━━━━━・・・・・・・‥‥………

経営者と生命保険

起業を志す研究者さんに、リーゾの経験をお伝えしています。
今回は、経営者ならではの、生命保険の話です。

某生命保険会社の営業さんから、
何度かに分けてレクチャー&提案していただいて学んだ内容を、
いつものように私の勝手な解釈でまとめて
シェアしたいと思います。

リーゾが法人として生命保険を検討すべき理由は、
おもに3つあります。

ひとつめ。縁起でもないですが、もし私が急死したとします。

その先、リーゾをどうするのかは、
生きている関係者が決めることになりますが、
廃業するにせよ、後継者を立てて継続するにせよ、
ある程度の資金が必要になります。

お金があれば、残された関係者が
最善の道を選ぶことができますし、
後継者がいたとして、その人の準備が整うまでの
時間を稼ぐことも可能になります。
目安は、運転資金2年分くらいでしょうか。
生命保険は、その備えとして役立ちます。

二つめは、『節税』です。経営者は個人と会社、
2つの財布を持つと言われます。
この2つの財布をうまく使って、
いつか引退するときの退職金を確保しつつ、
所得税と法人税の両方を減らし、
手残り総額を増やすことが、保険の利用で可能になります。

三つ目は、『資産の目減り対策』です。
現在のような物価上昇局面では、資産運用をしないと、
会社の現預金が目減りしてしまいます。
これも、保険を利用することで、
高利回りが一定の確率で期待できる運用が、
手間なしでできます。

それでどうしたかといいますと、
勉強になったことを心から感謝したうえで、
今回は見送らせていただくことにしました。

なぜかといいますと、3つの理由のそれぞれについて、

①自分にもしものことがあった場合の資金確保
→掛け捨ての生命保険に必要最低限だけ入る、
でも可能だし、そもそも運転資金2年分程度の現金ならすでにある

②個人と会社、両方の節税対策
→そもそも多額の税金を払っているわけではなく、
対策しても知れている

③物価上昇による資産の目減り対策
→資産運用は、自己責任で行う方が精神的にラク
(他人に任せると損したときに怒りを感じてしまうので)

・・・ということに思い至ったためでした。

いやいや加入しないとこんな不都合も、
というご意見もあるでしょう。
保険を利用されている方の考えを否定する気持ちもありません。
あくまでも自己責任での判断です。

今回の話の発端は、
「自分の身に何かあったら、リーゾはどうなるのか?」
という実際的な問いかけから始まりましたが、考えるうちに、
「リーゾが生まれ、存在している意味は何なのか?」
そして、
「そもそも私はどう生きたいのか?」
という哲学的なことまで、ぐるぐると考えてしまいました。

営業さんいわく、保険とは、
『本当に守りたいものを守れるように設計するもの』
であり、何を守りたいのか?を見極めることが実は最も重要。
法人における保険とは、
「保険料を経費にして節税しつつ蓄財する」
ためのものかと思ってましたが、そうではないんですね。
(もちろんそういう使い方もできますが)

その言葉が目から鱗で、本質を深く考え過ぎた結果、
保険屋さんの営業成績に結び付かないことになってしまいました。

ともあれ、大切なことを考えるきっかけを
いただけたことは確かで、とても感謝するとともに、
リーゾの行く末も、少しずつ考え始めています。


■ コーヒーブレイク━━━━━・・・・・‥‥‥…‥…‥…

落雷で家電が壊れたら

またまた保険の話になってしまいますが(偶然です)、
知らないと損!かもしれない、
『落雷で家電が壊れたら、火災保険が使える』
という情報をシェアします。

先日、リーゾ社員の家が、落雷に見舞われました。
家に被害はなかったのですが、インターホンと電話機と、
ソーラーシステムが壊れてしまったそうです。

施工したハウスメーカーに相談したところ、
3つとも「火災保険で対応できる」と告げられました。

電話機は、(家自体にくっついていないので)『家財』
インターホンと太陽光発電システムは、
(家自体にくっついているので)『建物』

という扱いで、保険金が下りるそうです。

ちなみに、同じ家電でも、エアコン、
ビルトインタイプのキッチン機器
(IHクッキングヒーター、食洗機、オーブンレンジ)、
給湯器、備え付けの食器棚、室内の防犯カメラ、
といったものはすべて「建物」扱いになります。
見分け方は、「(簡単に)取り外せるかどうか」でしょうか。

また、デスクトップパソコンは家財になりますが、
中身のデータも保険対象外
(なのでバックアップは必ず取りましょう)
さらに「ノートパソコン」は
保険対象外になる場合もあるそうなので要注意です。

で、保険を使いたい場合は具体的にどうしたらよいか?
ですが、

「落雷により壊れ、修理不能である」
という証明書を用意する(後述)

→交換/修理の見積をもらう

→交換/修理

→保険会社に、必要書類を提出して請求

このような流れでよさそうです。

すぐにでも新しいものを買って使い始めたい必需品は、
領収書で請求することも可能ですが、
メーカーによる修理不能証明書をもらいたい場合は、
壊れた方をうっかり捨ててしまわないようにしましょう。

証明書については、必ずしもメーカーによる証明書でなくても、
客観的に「落雷があった」と証明できるものでも可です。
その例として「気象台が提供する観測情報」
「電力会社などのホームページで提供されている落雷情報」
「新聞記事」などが使えるそうです。

落雷は、家そのものでなく、近所の電柱に落ちただけでも、
過剰な電流が家の中の電化製品まで達し、
故障させてしまうことがあります。
そういう場合でも、もちろん保険の対象になります。

ということで、落雷が原因で家電が壊れてしまったら、
・公的機関による落雷情報を確保して、
(あるいはメーカーから落雷で壊れた旨の証明書をもらって)
・保険会社と連絡を取りつつ、
・修理や交換を行って保険金請求、
で対応しましょう。

とはいえ請求も面倒なもの。できれば避けたいところです。
落雷による家電の故障を防ぐ対策についても調べてみたところ、
「雷サージ対策機能付きの電源タップを使う」
「雷が鳴ったらプラグを抜く」
程度しかありませんでした。

そもそも抜けるプラグがないインターホンや
ビルトイン家電、太陽光発電システムなどは、
対策のすべがないようです・・・。

天候が不安定で、ゲリラ豪雨や落雷が多い昨今、
他人事ではないなと思いましたので、学びをシェアしました。
お役に立つ機会は、来ない方がよいですが・・・。


■ リーゾからのお知らせ  ━━━━━・・・・・・・‥‥……

〇実験補助セミナー 開講中

文系でも未経験でも大丈夫!
子育て中のお母さんでも働きやすい、
研究機関での実験補助のお仕事の基礎を教える、
主に女性向けのセミナー。
お仕事紹介や就職活動の支援つきです。

第3水曜日の10時~11時半、受講料2200円(税込)。
定員4名。全8回シリーズです(単発受講可)。

次回は9月18日、
「緩衝液の役割と調製法」
を行います。

詳細はこちらです。
https://rizo.co.jp/seminer.html


〇「コンサルすいすい」専門家/相談者募集中です

『豊富な知識、経験を有する方と、
その知識や経験をもとにアドバイスをもらいたい方を
つなぐサイト』を構想しています。

コンサル役やってもいいよ!という方、
相談したい!という方、お待ちしています。

こちらのページです
https://www.rizo.co.jp/consulsuisui.html


■ 編 集 後 記 ━━━━━━━━━━━・・・・‥‥‥…

○生保加入を見送ったその足で、
法人としてネット証券口座を開設、投資を始めました。
でも法人は特定口座もNISAも使えない!
個人はずいぶん優遇されているのですね。
リーゾの「資産目減り対策」として
本当に機能させられるのか、自己責任で実験してみます。

○雷雨の時には、灯りを消してカーテンを開け、
家族で「雷鑑賞会」をしています。
稲光で夜空がぱっと明るくなるさまがとても幻想的で、
数秒遅れてとどろく雷鳴もまたオツ。
安全な場所にいるからこそできる、
ささやかな楽しみです。
とはいえ重要な家電のプラグを抜いてから、
の方がよいかもですね。

○5月に大腿骨骨折したひとり暮らしの母、
入院、手術、リハビリを経て、先日退院しました。
いったんショートステイに移り、
マンション3階から1階に移動した新居にて
徐々にひとり暮らし復帰を目指します。
悪戦苦闘の日々が続きますが、
『親孝行は自己満足』と開き直り、
趣味だと思って取り組んでます
(支えてくれるリーゾスタッフと家族に感謝!)

○最後までお読みいただき、ありがとうございました。
これからもリーゾとすいすい通信を
どうぞよろしくお願いいたします。




すいすい通信は、「株式会社リーゾ」のお客様、
および関係者の皆様にお送りしています。
お知り合いで、「すいすい通信」の配信を
承認していただける方がいらっしゃいましたら、
ぜひご紹介くださいますよう、お願いいたします。
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【すいすい通信】

 発 行 日:月1回・第1水曜日(予定)
 発行開始日:2011年4月7日

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