すいすい通信 vol.81 2017年12月号


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  ☆ すいすい通信  ☆  vol.81 2017年12月6日配信 
          
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こんにちは。リーゾの門奈です。

今年もあれよあれよと言う間にもう師走。巷ではインフルが流行し
始めていますが、ワクチンが不足しているそうですね。わが家では
今年も自家製のR1ヨーグルトで免疫力アップして乗り切る覚悟です。

それでは、今月の「すいすい通信」をお届けします!

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・特集・・・・・・・・・・・・・・食べられる巨大田んぼアート
・零細起業の経営実務・・・・・・・・「やらないこと」を決める
・実験補助者への道・・・・・・「キラキラおしごとカフェ」にて
・リーゾからのお知らせ
 
          
■ 特 集 ━━━━━━━・・・・‥‥‥……

食べられる巨大田んぼアート

11月28日に、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業総合
開発研究機構)が主催するピッチイベント「NEDOピッチ」に登壇し
てきました。

ベンチャーと大企業を橋渡しするのが目的のピッチイベントに、な
ぜリーゾが登壇することになったのか?と言いますと・・・

夏の終りごろに、農研機構さんから「推薦してよいか?」とのお問
い合わせがあり、深く考えずに「いいですよ」と返事をしたのでし
た。その後、ずっと忘れていたのですが、先月になって登壇が決ま
って焦りました。

そもそも、リーゾは革新的技術を持つベンチャーでもなければ、大
企業の支援も望んでいません。困ったなー、何を話せばいいのかな
と思いつつ、担当者さんと相談した結果、話すことになったのが、
「食べられる巨大田んぼアート構想」でした。

この構想の根本には、「あと200年でなくなるペースで減ってい
る日本の水田を、しつかり後世に残していきたい」という思いがあ
ります。

そのためにできることのひとつが「高く売れるお米」で、美食同玄
米で検証中であることはご存知の通り。
そしてふたつめは「田んぼに付加価値をつける」です。

日本全国で行われている田んぼアートが、そこそこの経済効果を生
んでいることはご存知でしょうか。

でも現状では、下絵描きと田植えが手作業で大規模化できず、図柄
の細密さにも限界があることと、食べると不味い観賞用品種を使う
のでどうしても遊び感覚のマイナスイメージになるという問題があ
ります。

田んぼ数百枚をつなげた、写真のように細密な絵や模様を、半自動
で、コピーを作るように何箇所も描けるようになったら・・・?
山の上から見たり、ドローンで撮影したり、ヘリで遊覧飛行したり、
グーグルアースで見たり。いろいろできそうですよね。

広告媒体として、あるいは「クールジャパン」を体現する観光資源
として、すごいことになりそうではないでしょうか?

さらに、その絵が全部、美味しく食べられるお米として収穫できた
としたら。どんなに大規模化しても、遊びでやっているという後ろ
めたさは皆無。特別なお米として、付加価値をつけて提供すること
もできます。

どうしたらこれを実現できるでしょうか。
「葉の色だけが違う、良食味のイネ品種を作ること」
と、
「プリンターのような機能を持つ全自動田植え機を作ること」
この2つで解決します。

ひとつ目は、リーゾで美食同玄米(コシヒカリつくば黒1号)を作
るのに使った「ゲノム育種法(DNAマーカー育種法)」で実現でき
ます。

ふたつ目は、リーゾではできませんが、誤差数センチまでの精度に
なったGPS技術とAIを使えば、農業機械メーカー、工作機械メーカ
ーさんなら、簡単に実現できそうではないでしょうか? 

田んぼのアレンジ、スポンサー探し、図柄のデザイン、宣伝、付随
するイベント企画などに広告代理店さん。
取れたお米に付加価値をつけて提供するのに、商社さん。あるいは
食品メーカーさん、外食産業さん。
観光客の対応には、地方自治体や旅行代理店の協力も要りそうです。

リーゾは儲からなくてもいいんです。作った品種を使ってもらって、
いくばくかのライセンス料がもらえればそれで十分(もっと言えば、
よそで育種してくれて、リーゾは言いだしっぺになるだけでも構わ
ないです)。

田んぼが「クールジャパン」として注目されたら素晴らしいですよ
ね。面白がってくれる大企業さんがいたらいいなあ・・・というこ
とで、ダメもとでプレゼンしてきました。

結果は・・・ビジネスの世界は、そんなに甘くないです。「プリン
ター田植え機?作ってやるよ」なんて大企業、現れませんね。おま
けで話した美食同玄米の方が注目を集め、あららという感じでした。

「食べられる巨大田んぼアート」は、リーゾを始めた頃からの夢の
ひとつで、会う人会う人に話してきました。目を輝かせて聞いてく
れる人と、全く興味をしめさない人に、はっきり分かれるのが面白
いです。

誰かの心に引っかかったことを期待しつつ、これまでどおり、でき
ることをこつこつやって、一歩ずつ夢に近づきたいと思っています。


■ 零細起業の経営実務 ━━━━・・・・‥‥‥…… 

「やらないこと」を決める

突然ですが、米倉涼子さん主演の人気ドラマ「ドクターX」ご存知
ですか? 美女なのに率直すぎて嫌われる、フリーランスのスーパ
ー外科医の話です。何があっても手術は成功して、最後にスカッと
できるところが魅力です。

主役の大門先生、教授の論文の手伝いや、回診のお供など、医師免
許が要らない雑用は一切、『いたしません!』と切り捨てます。
権威へのへつらいなどみじんもないこの言葉に憧れる人、多いので
はないでしょうか。

ちょっと無理やりな前振りでしたが、実は、経営にとっても『いた
しません!』はとても大切・・・というお話です。

起業したてのときには、いただければどんな仕事でもうれしいもの
で、つい、「何でもやります!」と言ってしまいたくなります。
私が起業したときも、もちろんそうでした。

でも、冷静に考えてみれば、実際にはできないことばかり。がんば
ればできるかもしれないですが、体力面でもお金面でも、無理をす
ればすぐに破綻するであろうことは、経営のど素人でも想像がつく
ことでした。

そこで、リーゾでは、思い切って「しないこと」を決めました。
それは・・・

『お客様が望まないこと』 
『ほかの会社ができること』 
『無理をする必要があること』

すべて、『いたしません!』です。

正直に言いますと、全く最初からそうできたわけではないです。
最初のうちは、ポリメラーゼのプレミックスのような、どこのラボ
でも大量に使う汎用製品を売ることも試してみました。でも、同じ
ようなもので値段も同程度なら、知名度のある製品を買うし、安く
すれば逆に怪しい印象を持たれてしまいます。

これでは勝ち目がないな、と早々に実感し、以降、自社製品を考え
る際には、必ず、
『それはリーゾにしか提供できないものか?』
を自問し、イエスであるものだけ、商品化することにしました。

難しい材料に特化した核酸抽出試薬シリーズはもちろんですが、
イグサのDNA鑑定サービスの提供を頼まれたときも、
交配袋を作ってほしいと頼まれたときも、
主婦の実験補助者の養成や紹介を頼まれたときも、

『他ではどこもやってくれないから』

という理由が、決め手になりました。
(そう言われると弱い、というのもありますが・・・)

リーゾのウェブサイトを見ていただくとわかりますが、結果的に、
提供している商品・サービスの全てが、「他では買えない」ものに
なっています。

ほかの会社ができることはしない、という弱腰にも見える戦略が、
なぜ経営に大切で、特に零細に向いているのでしょうか。

その最大の理由は、『値段を自分で決められること』です。
これは、小さな会社にとって、最大の強みになります。

大企業なら、赤字になるほど値引きをして売っても、他で取り返す
力がありますが、資金力がない零細が価格競争に巻き込まれると冗
談ではなく命取りになります。自社しか提供できない製品なら、そ
の心配がないので、小さな会社でも安心して商売できるわけです。

ただし、大前提は、お客様が必要としてくれること。
ここがないと、もちろんだめです。

つまり、最初の「いたしません!」をひっくり返すと、

『自分にしかできないこと』 
で、かつ
『お客様が喜ぶこと』

これを見つけだせば、どんなに小さな会社でも(個人でも)、競争
なくビジネスができる、ということです。

蛇足ですが、リーゾの「いたしません!」は他にもいろいろありま
す。

『接待』 
(公的機関のお客様が多いので、控えるという意味もあります)

『泊まりの出張』
(お金もないし、起業時は2歳児の母でとても無理でした)

『値引き、安売り』
(美食同玄米が売れなかった時代にも、安売りだけはしないと決め
てました。売れなければ自分で食べる覚悟でした)

『残業、休日出勤』
(収入大幅ダウンは覚悟した代わり、ワークライフバランスは死守
するつもりでした)

『会社の体裁を整えるための出費』
(開き直れば、貧乏もファッションとして楽しめるものです)

できるようになるまでとりあえずの「いたしません!」のつもりで
したが、やってみるとなかなか快適で、9年経ってすっかりリーゾ
のカラーになりました。オバサン軍団の強さ?いえ「主婦力」のな
せる業かもしれません。


■ 実 験 補 助 者 へ の 道 ━━━━・・・・‥‥‥…

「キラキラおしごとカフェ」にて

11月9日につくば市内のショッピングセンター「イーアスつく
ば」で開催された、女性を対象とした就活イベント『キラキラ☆
おしごとカフェ』に、出展企業として参加してきました。

リーゾの場合、いい人がいればもちろんすぐに採用したい!という
こともありますが、就職意欲のある女性たちとのつながりを増やし
ておき、研究者さんの求人ニーズに応えやすくする、という陰の目
的があって、ためしに参加してみた次第です。

赤ちゃん連れOK、託児コーナーあり、フリードリンクあり、ブース
を回ってチケットをもらうと野菜の詰め放題などが楽しめる、など
など、女性をひきつける仕掛けがもりだくさん。逆に、軽すぎて真
剣な人を遠ざけない?と心配になるくらいでした。

ブースを開けていた午後1時から3時半までの間に、話を聞きにき
てくれたひとは12名。「実験補助って何ですか?」という方から、
「ウェブサイト読んできました」という方までいろいろでした。

また経歴もさまざまで、今までやっていたお仕事を聞くと、知らな
い世界の話が多く、とても面白かったです。自分の仕事の話になる
と皆さん生き生きと語るのが印象的でした。

お話を聞く中で、多くの方が、実験補助の仕事に対して「敷居が高
い」と感じていらっしゃることが改めてよくわかりました。

文系出身で未経験など、まったく何の素養もなし、という方の場合、
研究所で働く自分なんて想像もつかない!と思うのも無理ありませ
ん(実際には、文系出身で未経験だった方も、大勢働いていらっし
ゃるんですけどね・・・)。

そうは言っても、何かとっかかりがないと、一歩踏み出すにも方向
すらわからないかもしれません。そんな場合に、リーゾがお手伝い
できることがいくつかあります。

まずは、とにかく、リーゾのウェブサイトの実験補助者育成コーナ
ーを熟読すること。概要のセミナーは小冊子化しています。できれ
ばそれも読んで欲しいです。

http://www.rizo.co.jp/booklet002.html
(無料でダウンロードできる状態にしてあります)

そして、つくば近郊の方であれば、実験補助セミナーに参加するこ
と。どの回でも、内容についていけなくても構いません。参加して、
私と直接、たわいない話をすることが重要なんです。

なぜかというと、「面接」ではない場での、なんということもない
雑談で、人柄や家庭状況がわかり、研究者さんとのマッチングの成
功率が上がるからです。

一度でも参加してもらえれば、求職者メーリングリストに登録でき、
研究者さんからの求人情報や、就職に役立つ情報が、不定期にでは
ありますが送られてきます。すぐに働く気がなくても、実際にどん
なスキルが求められているのか、どんな条件で働けるのか、生の情
報に接することで、安心して準備ができます。

ラボで働くための実戦力は、実験補助セミナーである程度は身につ
きますが、急ぎたい方、さらにハイレベルなスキルを学びたい方に
は個別講習もやっています。

遠方の方には、通信講座も用意しており、東北地方や関西圏で受講
されている方もいます。実習ができないのがつらいところですが、
意欲のある方はつくばまで来られて、集中的に実習される場合もあ
ります。対応するのもなかなか大変なのですが、がんばって教えて
ます。

受講生さんには、実験補助の仕事に自信を持って応募して欲しいで
すし、研究者さんには、いい人に来てもらえてよかったと思って欲
しいです。「就職が決まりました」と連絡をいただいたときのうれ
しさが何よりのモチベーションになる、幸せな活動です♪


※「キラキラお仕事カフェ」は、定期的に開催されているようです。
ご興味ある方はぜひ次回、チェックしてみてください。

(茨城県のサイト)
https://www.pref.ibaraki.jp/shokorodo/rosei/rodo/kirakira/ki
rakira3.html

(キラキラおしごとカフェのFacebookページ)
https://www.facebook.com/kirakiraosigotocafe/


■ リ ー ゾ か ら の お し ら せ ━・・・・‥‥‥…

○実験補助セミナーのご案内

2017年度の実験補助セミナー@リーゾを開催中です。月1回、
全8回で、バイオ系の実験補助者として必要なスキルを身につけ、
需要の多い経験者レベルを目指します。どの回からでも参加できま
す。

第7回は12月20日(水)10時〜11時半。

最後から2回目となる第7回は、「電気泳動」を学びます。アガロ
ースゲルを作成し、サンプル調製、泳動、染色、撮影まで実習しま
す。第2回で練習したマイクロピペッターの使い方を復習しつつ、
前回抽出したバナナのDNAを電気泳動してみます。
残り1席(この回から参加も可能です)。

詳細・お申込はリンク先またはお電話(029-852-9351、平日9−16
時)で。

http://www.rizo.co.jp/seminer.html


○【美食同玄米】パックごはん新ロット入荷情報

品切れでご迷惑をお掛けしております。美食同玄米「高圧加工パッ
クごはん」新ロットの入荷が決まり、12月18日の週から販売
できる見込みとなりました。

標準価格:1個450円(税込)/3個1080円(税込)
     12個入り1箱5400円(税・送料込み)

Amazon(箱売りのみ)
https://www.amazon.co.jp/dp/B00KNNVYMM

1個、3個での販売は、
イオンモールつくば内「えるふ農国」
つくば駅コンコース内「つくばの良い品」および「物産館」にて。

1パック1パック、手作業で心をこめて帯を掛け、お客様の健康
にお役に立つよう言い聞かせながら送り出しています。

今回は約170箱(1箱12個入り)製造します。
すでに20箱ほどのご予約が入っており、早期売り切れが予想さ
れます。ぜひお早めの確保をお勧めします。


○核酸抽出試薬・交配袋などのお買い忘れはありませんか?

年度予算の締めの時期が近づいています。核酸抽出試薬や交配袋
を使おうと思ったらない!買おうと思っても時期的に伝票が切れ
ない!!ということがないよう、在庫チェックをよろしくお願い
します。

交配袋は、これからの時期、カスタムのご依頼が集中します。交
配実験のタイミングを逃さないよう、お早めにご注文ください。
緊急の場合は、分納なども対応いたします。

DNA抽出試薬
http://www.rizo.co.jp/DNA.html

RNA抽出試薬
http://www.rizo.co.jp/RNA.html

交配袋
http://www.rizo.co.jp/crossingbag.html


■ 編 集 後 記 ━━━━━━━━━━━・・・・‥‥‥……

○ドクターXの大門未知子先生のもうひとつの決めゼリフといえば、
「私、失敗しないので!」。あやかりたくて、実験前のおまじない
に、ときどきつぶやいています。もちろん、頭の中では、大門先生
のテーマが鳴ってます。

○10月の「理工系女子学生応援シンポジウム」基調講演を境に、人
材募集の協力依頼や派遣の打診が一気に増え、いっぽうで、良い人
材を探ための人脈もいくつかでき、たいへんありがたく心強く感じ
ています。慣れない大舞台で消耗しましたが、思わぬ収穫をいただ
きました♪

○先月17日には川崎の森林整備機構さんで、「家庭力は仕事力」
と題した講演をさせていただいてきました(3年前に森林総研さん
でやらせていただいたセミナーからのつながりです)。あとは県立
高校進路セミナーが終われば8週間で4件の講演ラッシュ終了!
ようやく一息つけそうです。

○最後までお読みいただき、ありがとうございました。これからも
リーゾとすいすい通信をどうぞよろしくお願いいたします。          



すいすい通信は、「株式会社リーゾ」のお客様、および関係者の皆
様にお送りしています。この号は762名様に配信しました。
お知り合いで、「すいすい通信」の配信を承認していただける方が
いらっしゃいましたら、ぜひご紹介くださいますよう、お願いいた
します。
配信登録はこちらからできます。
http://rizo.sakura.ne.jp/vd/entry/e/bS8PtaC5kPRXp3iy/



【すいすい通信】

発 行 日:月1回・第1水曜日(予定)
発行開始日:2011年4月7日

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info(at)rizo.co.jp

【発行元】

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〒305-0005 茨城県つくば市天久保2-9-2-B201
TEL:029-852-9351 FAX:020-4623-5611
MAIL:info(at)rizo.co.jp
HP:http://www.rizo.co.jp/

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