起業に関するQ&A集

起業を志す研究者さんや学生さんから、
「リーゾを見学させて欲しい」「起業の話を聴きたい」
というご希望を多くいただいていることから、
良くある質問を整理してQ&A集を作りました。

いちいち書くのもうっとおしいので省略してますが、
「リーゾの場合には」と但し書きがあるものと思ってお読みください。
世間的に正しいかどうかは保証いたしませんので、
その点についてはご理解の上、ご参考にしてください。

ここにないご質問がありましたら、
問い合わせフォームをご利用ください。

お役に立てば幸いです!
(2018.3現在、まだベータ版です)

質問一覧

起業時の「お金」に関する質問
バイオ系の実験室を立ち上げるのにはどのくらいの費用がかかりましたか?
起業をするために貯金をどのくらい用意しましたか。
初期投資とランニングコストを踏まえると、最初の資本金はどのくらいの額が目安になるのでしょうか。
銀行などからの借入はありましたか。
資金確保で最初に注意すべき点はどのようなものがありますか。
出資比率のパーセンテージが意味することは何ですか
経済的に頼れる人はいましたか。
初期の役員報酬はどうしましたか。

会社の立ち上げに関する質問
バイオベンチャーを創業するにあたり、役所に届出は必要でしょうか。
個人事業等ではなく株式会社の設立を選んだ理由はなんですか。
合同会社と株式会社、どちらが良いでしょうか。また立ち上げのタイミングはどうでしょうか。
創業初期のオフィスの選び方や相場感について教えて下さい。
会社設立にあたって、行政書士はどのように探しましたか。
大資本のベンチャーと小資本のベンチャーのメリットやデメリットはどのようなものがありますか。

立ち上げ後の経営に関する質問
経営不振などの理由で会社を整理することを想定した”撤退ライン”は決めていましたか。
ビジネスモデルなどの面で参考にした企業はありましたか。
財務や法務などの庶務はどのように行っていますか。
資金繰りが逼迫したことはありますか。その時にどのように対策しましたか。
会社が軌道に乗ったと思えたのはいつごろですか。
経営のアドバイスはどこで得られますか?相談できるような場所があるのでしょうか?
経営と実験のバランスはどのくらいになるのが理想でしょうか。
気を付けるべき税金対策はありますか?税金について知りたいときはどうしましたか?
年度毎に得られた利益は貯めておけますか?(研究費とは違う?)
国の研究費を獲得した場合、分けて管理する必要がありますか

商売に関する質問
販路開拓の際に、完成した製品を持ち込みましたか? アイデアの段階で持ち込みましたか?
没になった製品あるいはサービスのアイデアはどのくらいありましたか?
マーケティングや販路拡大はどうすれば良いのでしょうか。
販路をどのように開拓しましたか?(アズワンなどのカタログにはどのようにして掲載したか)
起業時に製品は何種類あり、その後どの程度増減しましたか?
請求書や伝票などの書類の作成や管理について、専門家に頼らずに効率的に行う方法はありますか
試薬の販売をする場合、容器やラベル、型番はどうしているのでしょうか?
パッケージのデザインとかHPのデザインはどうすればよいのでしょうか?
値段設定のコツはありますか?

人事に関する質問
アルバイトやパートの募集の方法を教えてください
立ち上げ初期に必要最小限のメンバー構成は?
人が足りない場合の人材確保のコツはありますか?

知財に関する質問
特許や商標等の知的財産権の取得はどのようにしていますか
特許や商標を検討する場合、どこに相談するのが良いのでしょうか。

家族・生活・人生に関する質問
起業するにあたって、自身や配偶者の親にはどのように説明したか。
起業によって日常生活に割ける時間が減ったり、お給料が減ったりということはありますか。
会社の収益で生活費が賄えるようになったのは起業後どの程度経ってからか。
起業することを考え始めたときに、何をメリットだと考えていたか。またそれは実際にそうであったか。

その他
博士の肩書は営業活動などで役立ったと感じますか。
商工会議所には加入していますか。加入するメリットは何だと感じますか。
(博士を志す学生へのアドバイスとして)就職が先か、やりたいことがあれば起業するかどちらが良いのでしょうか。

起業時の「お金」に関する質問

バイオ系の実験室を立ち上げるのにはどのくらいの費用がかかりましたか?

DNA抽出、PCR、電気泳動、ゲル写真撮影。
最低限、この一連の流れができる設備を整えました。
微量高速遠心機、PCRマシン、電気泳動装置、トランスイルミネータ(全て中古品)を入手し、ゲル撮影装置はトランスイルミネータを使って手作りし、デジカメで撮影するという方法を考えました。
前のテナントが残していった冷蔵庫、電子レンジ、おしぼりウォーマー(乾燥機代わり)はタダです。
あとは、オートクレーブの代わりに圧力鍋を使うなど、家庭用品で代用しました。
元飲食店のテナントを借りるための敷金と家賃、内装費用(DIY)も含めて、ラボを立ち上げて開業に至るまでにかかった費用は90万円弱です。

起業をするために貯金をどのくらい用意しましたか。

設立時には200万円用意しました。
特に根拠はなく、「なくなっても諦めのつく金額」がこの程度だったということです。

初期投資とランニングコストを踏まえ、最初の資本金はどのくらいの額が目安になるのでしょうか。

「商売を開始するまでにかかるであろう金額」と「なくなっても諦めがつく金額」の兼ね合いで決めたらいいと思います。
私の場合はまず後者が優先で、かかるお金をその範囲に収める、という考え方をしました。

銀行などからの借入はありましたか。

最初に国民政策金融公庫に融資をお願いしたのは、開業して数ヶ月後、売上がたってからで、200万円ほどを借りました。
お勧めするわけではありませんが、いろいろと勉強になりますので、自腹ですぐに返せる範囲の借金は、あえてする意味があると思います。

資金確保で最初に注意すべき点はどのようなものがありますか。

自腹を切れる範囲でお金を用意し、まずはその範囲でできることを考えたほうがよいと、私は思います。

どんなに少額であっても、友達や家族以外の「本当のお客様」に商品を売って対価をもらうことが起業の第一関門で、これができてからであれば、融資や出資をお願いする場合の説得力が格段に増しますし、より有利な条件でお金を引き出すことができますよ。

出資比率のパーセンテージが意味することは何ですか?

例えば出資比率が51%であれば、株主総会で過半数を取れるので、会社を売ることも、社長をクビにすることもできます。
自分の会社としてコントロールしていきたいなら、できれば3分の2、最低でも51%の株は死守しなくてはなりません。
ちなみにリーゾは95%の株を、代表である私とその親族が保有しています。

経済的に頼れる人はいましたか。

はい。
資本金については、エンジェル的な個人投資家さんが、開業時の増資で200万円出してくださいました。
夫が国家公務員の同業者(農学系の研究者)でしたから、路頭に迷う恐れはありませんでした。
(ただ、立ち上げる会社の顧客となる可能性のある仕事だったため、出資は控えてもらいました)

初期の役員報酬はどうしましたか。

設立から開業までの3ヶ月間はゼロです。
開業してからの1年間は、創業パートナーとふたりで月20万円ずつ、とざっくり決めました。
が、開業初年度は人件費分がそっくり赤字となり、2年目はひとり10万円に減らしました。
その後は、前の年の業績を見ながら、じわじわと上げていくという方法を取っています。

会社の立ち上げに関する質問

バイオベンチャーを創業するにあたり、役所に届出は必要でしょうか。

普通の会社設立と同じです。
事業の内容によっては、許認可を取る必要がある場合もあります。
(リーゾの場合は、特に何も必要ありませんでしたが、人材派遣を始めるときには許可を取りました。)

個人事業等ではなく株式会社の設立を選んだ理由はなんですか。

公的機関との取引をスムーズにするため、というのが大きな理由です。

合同会社と株式会社、どちらが良いでしょうか。また立ち上げのタイミングはどうでしょうか。

合同会社の利点は、立ち上げ時の経費が少なくて済むことだと思いますが、経験していないのでよくわかりません。
立ち上げのタイミングですが、最初の取引をする前に立ち上げておかないと、切り換え時に面倒になる気がします。

創業初期のオフィスの選び方や相場感について教えて下さい。

リーゾの場合は、設立登記と開業準備のために、安価な「レンタルオフィス」を借りました。
月2万円台の個室で、パソコンを使う仕事だけなら、そのまま開業できると思います。

リーゾの場合は実験が必要でしたから、開業のために元飲食店のテナントを借りて引っ越しました。
廃墟かと思うようなボロいテナントビルの一室で、家賃は月4万円と破格に安い物件です。

正直迷いましたが、水場があり、電気容量も大きく、バイオの実験をする条件は整っていたこと、
古くて借り手有利な物件であったことから、儲かったら半年で出て行くつもりで借りました。
(結局居心地が良くてずっといます)

相場観はよくわかりませんが、固定費をどれだけ抑えられるかは、事業成功の鍵です。

会社設立にあたって、行政書士はどのように探しましたか。

イネを育てる温室を探しているときに、偶然出会った方にお願いしました。
定款は自分で作るし登記も自力でやるので電子認証だけお願いしたい、
というわがままな希望でしたが、言い値の2万円で引き受けてくれました。

大資本のベンチャーと小資本のベンチャーのメリットやデメリットはどのようなものがありますか。

大資本のベンチャーのメリット
・ビジネスの立ち上げを加速できる
・かっこよく見える

大資本のデメリット
・早く儲けないといけないというプレッシャーがかかる
・経営方針を柔軟に変更するのが難しい
・経営者を交代させられる(会社を取り上げられる)恐れがある

小資本のベンチャーのメリット
・自分のペースでゆっくり事業を育てることができる
・撤退ラインも自分で決められる

小資本のデメリット
・貧乏そうでかっこ悪く見える

こんなところでしょうか。あくまでも私見ですが。

立ち上げ後の経営に関する質問

経営不振などの理由で会社を整理することを想定した”撤退ライン”は決めていましたか。

開業時に増資した際の資本金、600万円が無くなること(=債務超過)がひとつの目安でした。
(実際には、開業2年目まで単年度赤字で、短期間ですが、債務超過になった期間が生じました)

ビジネスモデルなどの面で参考にした企業はありましたか。

前勤務先(大資本のベンチャー、8年目に破綻)が、反面教師としてではありますが、大変参考になりました。
「こういうことをしてはいけないんだな」ということを軒並みやっちゃった会社でしたので・・・。

財務や法務などの庶務はどのように行っていますか。

経理、税務申告、社会保険・労働保険の手続等、通常は税理士や社会保険労務士に頼む業務ですが、リーゾでは基本的に自力でやっています。
開業当初はお金を節約したくてそうしたのですが、その後もずるずると自力で続けています。
役所は素人には親切なので、ある程度のところまでできていれば、ちゃんとフォローしてもらえます。
いずれ、すごく儲かって節税が必要になったら税理士さんを頼もう!と夢見ています。

資金繰りが逼迫したことはありますか。その時にどのように対策しましたか。

そもそもお金がないので、資金繰りが大変になるようなビジネスには手を出しません。
なので、逼迫したことはないです。
強いて言えば、開業初年度にひどい赤字になったとき、2年目に給料を半分に下げて乗り切りました。

会社が軌道に乗ったと思えたのはいつごろですか。

開業3年目に単年度黒字になり、その後も順調に黒字を続けて、累積でも黒字化したときでしょうか。

経営のアドバイスはどこで得られますか?相談できるような場所があるのでしょうか?

有料で相談に乗ってくれる、いわゆる経営コンサルタントはたくさんいます。
茨城県の場合、コンサルタントを無料で派遣してくれる制度もあります。

頼りになるのは、起業するとたくさん出会える先輩経営者のみなさんです。
起業初期のたいがいの苦労は経験済みですから、喜んでアドバイスしてくれます(タダで)。

経営と実験のバランスはどのくらいになるのが理想でしょうか。

理想は、誰かがうまく経営してくれて、私は実験だけしてればいい状態ですが、それはなかなか無理ですね。

気を付けるべき税金対策はありますか?税金について知りたいときはどうしましたか?

気をつけること
・赤字だと法人税はかからないが、法人住民税の「均等割」だけは毎年払わなくてはならない
(リーゾの場合、つくば市に5万、茨城県に2万2千円、計72000円)
・売上高が1000万を超えたら消費税がかかる(赤字でも払う必要あり)→納税資金として数十万円が必要

税金について知りたいときは、ネットで探せば、答えはたいてい見つかります。

年度毎に得られた利益は貯めておけますか?(研究費とは違う?)

はい。研究費と違って、年度末に慌ててお金を使う必要はありません。
(黒字を減らしたいときは別ですが、そんな境遇になったことは不幸にしてありません・・・)
残った利益は、繰り越せます。

ちなみに損失も7年間は繰り越すことができ、黒字になった年度の税金を減らすのに役立ちます。

国の研究費を獲得した場合、分けて管理する必要がありますか?

お金に色はつけられませんが、経費使途を報告しなくてはならないので、帳簿(会計ソフト)上は分けて管理します。
また、見積書、納品書、請求書が必要なので、これらも分けて保管します。
原本の提出が必要な場合が多いので、コピーをとり、原本は研究費用のファイルに入れて、会社全体の伝票ファイルにはコピーを入れるようにしています。

商売に関する質問

販路開拓の際に、完成した製品を持ち込みましたか? アイデアの段階で持ち込みましたか?

アイデアの段階、ということはないですが、核酸抽出試薬の場合、ベータ版で商品化してとりあえず販売を開始しました。
お客様の反応を見ながら、スペックや価格、仕様を修正していき、完成版に近づけていきました。
最初は「DNAすいすい-S」だけで始め、研究者さんのニーズに合わせてRNA版を作ったり、ポリフェノールや粘性物質対応版、木材用、土壌用、動物細胞用、とラインナップを増やしていき、現在の13種類に至っています。

没になった製品あるいはサービスのアイデアはどのくらいありましたか?

リーゾの場合、ニーズがない商品はそもそも作らないので、ほとんどないのですが、ごく初期に汎用試薬を作って売ろうとしてぜんぜん売れなかったことがあります。
全くの失敗でしたが、他社と競合するものでは太刀打ちできないと早期に気づけたので意味はあったと思っています。

いっぽうで、「提供はしているけれどほとんど売れていない」ものはいろいろあります。
ほとんど売れなくても、提供し続ける理由はありまして、ひとことで言えば、生物の多様性みたいなもので、環境の変化に対する耐性が高くなる、ような気がしています。
核酸抽出試薬の場合には、多様なラインナップがあることで、「難しい材料ならリーゾさんの試薬」といったイメージが醸成できる効果もあります。なので、安易に販売中止にはしません。ほとんど受注生産で、在庫リスクゼロですし・・・。

マーケティングや販路拡大はどうすれば良いのでしょうか。(顧客ターゲットによる戦略の選択肢など)

リーゾの場合、まずつくばにある生物系の研究機関に営業をかけました。
素人にはとても無理ですから、蛇の道は蛇、カリスマ営業マン(ひとりでやっている代理店の社長さん)にくっついて回る形で、研究所の建物をひとつずつ、各階のお部屋を片っ端から回り、すべての研究者さんに会う、というローラー作戦を行いました。
「すにっぷすいすい」をご紹介して回ったとき、ほとんどの研究者さんは興味なしでしたが、「こういうサービスが欲しかったんだよ!さっそくお願いするわ」と最初のお客様と出会うことができ、非常にうれしかったことを覚えています。

つくば以外の研究機関については、FAX番号を調べて、FAXで広告を送りました。
迷惑FAXとして扱われたところもあり、悲しい思いもしましたが、「情報ありがとうございます」と喜んでくださるラボも多く効果はあったようです。
購入したい研究者さんには、地元の代理店さんに発注していただき、そこへ納品する形を取っています。

アマゾンにも出品しました。これは販売目的もありますが、アマゾンに載っている=信用できる、というイメージが、当時はあったからです。ネットで検索すると出てくるので、宣伝効果もありますし。

お米や、子供向けの実験キットは、アマゾンで通販しています。
自社で通販サイトを立ち上げるよりも簡単で、リーゾの規模であればコストも安くて済むと思います。

販路をどのように開拓したか。(アズワンカタログにはどのようにして掲載したか)

アズワンに関して言えば、「載ったらいいなあ」とはずっと思っていましたが、特にこちらからお願いしてはいませんでした。
何かのご縁で、あるとき先方から「載せたい」とご連絡をいただけたので、こちらの希望する卸価格で契約して載せていただくことにしました(表向きは「まあいいですよ」という顔で。内心は小躍りしてました)。

掲載商品の提案は常時受け付けているようですので、掲載して欲しい場合は、遠慮なく連絡してみてはどうかと思います。
ただ、こちらからお願いする場合には、卸価格を自分で決めることができませんから、先方から載せたいと言ってもらえるまで待てるならば待つ方がよいかもしれません。

起業時に製品は何種類あったか。その後どの程度増減したか。

会社設立時点での商品はゼロでした。
開業時点では、SNPのPCRマーカー化サービス「すにっぷすいすい」と、澱粉が多い材料からの核酸抽出試薬「DNAすいすい-S」しかありませんでした。
その後、お客様の要望に応える形で種類が増えていき、試薬についてはDNA用とRNA用あわせて13種類になりました。
受託の方も「こんなことはできないの?」に応えて、できることは新メニューとして提供しています。

請求書や伝票などの書類の作成や管理について、専門家に頼らずに効率的に行う方法はありますか?

リーゾの年間取引数は500件に満たないので、この程度ならエクセルで十分に対応できます。
受注日、納品日、取引先、商品名、個数、単価、合計価格、送り先住所などの一覧表のシートを作り、
VLOOKUP機能を使って別のシートに伝票や、送り状、宛先(レターパックに貼り付けるもの)、納期回答FAX、などの書式を作っておけば、ミスを最低限に防ぎつつ、誰でも手早く処理でき、同時に販売情報を蓄積できます。

試薬の販売をする場合、容器やラベル、型番はどうしているのでしょうか。何か決まりごとはあるのでしょうか。

試薬の容器は、アズワンで購入しています。
ラベルは、耐水性のシール用紙に印刷しています。
同じような製品のラベルを参考にして、「研究用途以外には使わないでください」などと記載しています。
型番は、自社独自で決めています。電話でやり取りすることを考え、短めで、発音しやすいものがお勧めです。

一般向けの商品の場合は「JANコード」を取ったほうがよいかもしれません。
(取り方についてはネットで探してください)

パッケージのデザインとかHPのデザインはどうすればよいのでしょうか。

リーゾのホームページは、コンテンツマネジメントシステム(CMS)をレンタルして、自力で作り、更新しています。
デザインは、用意されたもののなかから、研究っぽい雰囲気のものを選んで使っています。
ちなみにCMSのレンタル料は、月4000円弱です。

パッケージデザインは、クラウドソーシングを上手に使うと、良いものが安くできます。
「美食同玄米」パックごはんの帯は、クラウドワークスでコンペをして、良いものを採用しました。3万円でした。

値段設定のコツはありますか。

最初は難しかったです!失敗を重ねて、だんだんコツがつかめてきました。
原価に利益を載せて価格を決めるとだいたい失敗します。
「お客様にとって、どのくらい価値がある商品なのか」を考えて決めるのがコツです。

製品によっては、その価格だと売れるけれど、最初のうちは作るのに手間がかかりすぎて利益がでない、という場合もあります(種子保存袋など)。
こんなときも、価格を上げるのではなく、工程を工夫して効率化し、原価を下げる努力をすることで、利益の出る製品にしています。

人事に関する質問

立ち上げ初期に必要最小限のメンバー構成は?

最小限のメンバー構成は、代表取締役となる自分ひとり、です。
(世の中には、代表取締役1名で運営する株式会社は、決して珍しくありません)

一緒にやってくれる仲間がいれば理想的ですが、その場合は必ず上下関係をつくり、最終的な決断は自分がし、全ての責任は自分が取るという覚悟をしっかり決めて、仲間にも伝えることをお勧めします。

人が足りない場合の人材確保のコツはありますか?

あります。
リーゾの場合は、実験補助セミナーに集まる主婦の中から、優秀で人柄がよく、就職先がリーゾでも構わないという方をスカウトしています。受講生である間に人物がよくわかった上でお声を掛けるので、まず失敗はありません。
(この方法の欠点は、子育て中の主婦ばかりが集まり、ダイバーシティーがぜんぜんないことです。)

アルバイトやパートの募集の方法を教えてください

前の質問への回答のとおり、リーゾでは一般公募をしたことがありません。
募集するとすれば、ハローワークに出したり、フリーペーパーに出したり、大学の学生課に出したり、いろいろな方法があると思います。

知財に関する質問

特許や商標等の知的財産権の取得はどのようにしていますか

リーゾでは特許出願は未経験です。
実用新案、商標、種苗権の取得については、自力で書類を作成し、特許庁に送付する形で、行っています。

特許や商標を検討する場合、どこに相談するのが良いのでしょうか。

ネット情報でたいていのことは足ります。
相談するとすれば、つくばであれば、研究支援センターで無料相談を実施しているので、そこを利用するとよいと思います。
相談員は弁理士さんなので、相談してみて気に入れば出願までお願いすることもできます(もちろん有料)。

家族・生活・人生に関する質問

起業するにあたって、自身や配偶者の親にはどのように説明しましたか?

私の場合は、自分と家族の幸せを最大にする選択肢が起業であること、大儲けは目指さずワークライフバランスを重視すること、したがって経済的に大きなリスクも取らないことを、まずは夫との間でコンセンサスとし、その上で私は自分の両親に、夫は夫の両親に、事後承諾のような形で伝えました。
親たちには不安もあったと思いますが、特に反対はされず、逆に応援してもらえました。

起業によって日常生活に割ける時間やお給料が減ったということはありますか。

会社員のときに比べて収入は減りましたが、職住近接になり、残業もなく、保育所や学校での平日の行事にも自由に参加できるようになり、プライベートに割ける時間は増えました。

会社の収益で生活費が賄えるようになったのは起業後どの程度経ってからですか?

起業を考え始めたとき、何をメリットだと考えていましたか。またそれは実際にそうでしたか?

前の勤務先が破綻して失業したとき、下の子(娘)が2歳で、保育所に通っていました。
次の仕事を考えたとき、「収入」「やりがいのある仕事」「子育てとの両立」のうち、1つは必ず諦める必要がありました。
起業すれば、収入は保証されなくなりますが、その代わりやりがいのある仕事をして、子育てと両立することができます。
そのふたつはもちろん実現し、これからも死守するつもりでやっています。
収入の方は、今のところ会社員時代の6割程度ですが、お金に代えられない価値を手に入れたと思っています。

博士の肩書は営業活動などで役立ったと感じますか。

リーゾの場合は、お客様のほとんどが博士ホルダーです。
これは私の心の問題ですが、自分も博士を持っていることで、自信をもって専門的なディスカッションができる、という部分はたしかにあります。
私の場合は、持っていてよかったです。

商工会議所には加入していますか。加入するメリットは何だと感じますか。

起業して9年近く入っていませんでしたが、研究お手伝いビジネスに限って言えば、特に困ったことはありませんでした。
お米ビジネスについては、傘下のつくば市物産会にも加入したことで、つくば駅構内のお店に出品したり、物販イベントなどに参加したり、できるようになりました。
利用してはいませんが、税務申告や社会保険の手続も、手伝ってくれるしくみがあるようです。

(博士を志す学生へのアドバイスとして)就職が先か、やりたいことがあれば起業するかどちらが良いのでしょうか。

好きにしたらいいと思います。
進路を決めるときは、どっちが得か?みたいな打算は排除して、自分は本当は何がしたいのか?を考えた方がいいです。
 
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