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    ☆ すいすい通信  ☆  vol.64 2016年7月6日配信 
          
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こんにちは。リーゾの門奈です。

つくばでは早くも猛暑日が増えてきました。そんな日の温室作業は熱中症にな
らないよう、最低限のことだけやって数分で退散です。逆に雨の日は落ち着い
て作業ができます。天気悪い日も使いよう、ですね。

それでは、今月の「すいすい通信」をお届けします!

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・特集・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・種子袋と花粉回収袋
・コーヒーブレイク・・・・・・・・・・・・大人の勉強法(実験結果報告)
・こどもといっしょにサイエンス・・・・・・・・・・野菜で維管束を観察
・リーゾからのお知らせ
 
          
■ 特 集  ━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………

種子袋と花粉回収袋

今回ご紹介するのは、特注品として製作している「種子袋」と「花粉回収袋」
です。

作り始めたきっかけは、お客様から「こういうものを作ってもらえないか?」
というご相談を受けたことです。それまで作ってくれていたところが廃業して
しまった、最低単位が大きすぎて頼めない、などの事情があると、リーゾに回
ってきます(ありがたいこと!)。

リーゾなら、基本的に手作りなので、安さについては工業製品に負けるものの、
サイズもロットもかなり融通が利きますから。

それではまず「種子袋」のご紹介です。

種子袋、というからには何かの種を入れる袋っぽいですが、何の種を入れると
思いますか?

正解は、研究の世界でモデル植物としてよく使われる「シロイヌナズナ(アラ
ビドプシス)」の種。粉のように小さな種で、たくさんの系統ごとに、混ざら
ないように独立して、かつ長期間保存する必要があります。

そのために、いくつかの性能が必要です。まず「長期保存しても袋自体が劣化
しない」こと。紙に孔が空いたり、糊がはがれたりしては困ります。
そして、種が隙間からこぼれないこと。糊付けが中途半端ではダメ。

3つめがサイズ。エッペンチューブが100本入る一般的な紙箱に、3列きっ
ちり収まるサイズ(幅4cm×高さ4.5cm)にすることで、省スペースでた
くさん保存できるそうです。

このような性能を持つ小さな紙袋をどうやって作るのかをご紹介しましょう。
まず、厚地のトレーシングペーパーを裁断します。この紙を3つ折にして糊付
けして縦長の「筒」にします。袋の底となる部分を3つ折して糊付けします。
袋の口は3つ折してから戻し、先端の部分をはさみでカットして「ベロ」をつ
くります。

糊付けのたびに、プレスして乾かしてチェックします。難関は、3回出てくる
3つ折の工程で、指の痛みと肩こりとの闘い・・・。でも、丁寧に作っていま
す。

次に、「花粉回収袋」について。

文字通り、花粉を、回収するために使う袋です。

花粉を回収したい植物の花に被せて口をしっかり閉じ、温室などにそのままし
ばらく置いてから、袋の中に落ちた花粉を袋の底に集め、角をカットして取り
出す、という感じで使うようです(想像)。

耐久性よりもなめらかさ重視のため、ツルツルした「グラシン紙」を使用して
作ります。大きさは、花粉を取りたい植物の種類によって変わるので、研究者
さんのご希望にそって作ります。樹木だと大きめ、野菜や草花だと小さめです。

作り方は、グラシン紙を出来上がりの2倍の長さに切り出して、両端を液体合
成糊で接着するだけです。簡単に聞こえますが、グラシン紙は濡れるとくるく
る巻いてしまうので、結構、技が要ります。糊を塗りながら、スポンジヘッド
を追いかけるように接着していきます。

花粉回収袋に求められる性能としては、「花粉が漏れないこと」がいちばん。
このため、底となる「わ」の部分に隙間ができないよう、気をつけて接着して
ます。

グラシン紙は、もともと交配袋として使われていたものですので、交配袋とし
て使うことももちろん可能です。不織布だとひっかかって被せにくい植物の場
合は使いやすいかもしれません。ただし、水にはめちゃめちゃ弱いので、結露
などに注意が必要です。

種子袋、花粉回収袋とも、特注品なので、ホームページにも載せず、製品紹介
もせずにやってきましたが、必要とする研究者さんが潜在的には多いのではな
いか?と思い、今回ご紹介してみました。

「種子袋」については下記ウェブサイト上に写真を載せてあります。
試供品もお出しできるので、ご興味あればご連絡ください。

http://www.rizo.co.jp/crossingbag.html


■ コ ー ヒ ー ブ レ イ ク ━━━━━━・・・・・‥‥‥……… 

大人の勉強法(実験結果報告)

「何歳になっても、勉強はできるのか?」この壮大なテーマに身体を張って挑
んだ1年間にわたる実験の結果やいかに。今回は、零細起業シリーズをお休み
して、この実験の結果を報告します。

・・・まあそんなに大げさなものではないのですが、実は去年の7月から、く
もんの通信教育でフランス語を勉強を始め、ちょうど1年が経ちました。

こんなことを始めたのかきっかけは、娘(小学生)のくもん。ぜんぜんつらそ
うではないのにすいすい進むのはなぜだろう?誰がやってもそうなのか?と思
ったのがひとつです。

もうひとつは、上の子の予備校の親向け講演会で、「心を向けて100時間努
力すると何でもマスターできる」と聞いたことです。
マユツバだと思いましたが、実験してみないとわかりません。それで「ひとつ
自分で実験してみよう」と思いたちました。

フランス語を選んだのは、くもんの教材にあったことと、できるだけ素養がな
いものでないと実験にならないためです。正確には、大学の教養でやっていた
のでゼロではないのですが、ほぼ忘れているので大丈夫と判断しました。

実際、始めるときのテストで、先生が選んだ教材は、イラストが示す単語の抜
けた部分にアルファベットを書くだけの、幼稚園児レベルの教材で、そこから
スタートしました。

毎日の勉強は、CDを聞いて、プリントを1日10枚やるだけ。所要時間は15
分〜20分。終わったプリントは月1回先生に送り、採点してもらい、間違っ
たところをやり直して100点にする。これだけです(辞書は不要なようにで
きています)。

最初はあまりに簡単な勉強が楽しくて、もっとやりたい!という思いをがまん
するのが大変でした。計算では、1日15分〜20分を1年やるとほぼ100
時間。このペースを守りました。

1年やって、消化したプリントの枚数は約3500枚と、ちょっとしたタワー
が作れる量になりました。教材は2Aから6段階進んで「E」になり、過去形の
ある文章が読めるようになりました。目標とした仏文学すらすらレベルには届
かずでしたが、もうひと息!というところまでこれました。

ということで、実験はまずまずの成功!です。

100時間というと、たとえば1日5時間割けるならたったの20日です。俳
優さんが役柄上必要な技能を短期間で身につけられる秘密はこのへんにありそ
うです。

私は「苦痛なく」も条件とするため1日15分としましたが、実際やってみる
と、15分は絶妙な長さで、仕事と家事で忙しくても、隙間時間としていろい
ろなタイミングで確保できるうえに、集中しやすいこともわかりました。

今回の経験で、100時間でマスターできることを実感したので、他のことも
どんどん挑戦してみたいと思うようになりました。今までは、もう年だし、今
さらねえ・・・なんて思っていましたが、始めるのに遅すぎることはないし、
逆に暇になるのを待つ必要もないんだと気づきました。

この実験の副産物がもうひとつあり、母親が食卓で教材を始めると、ライバル
心からか、娘も自分のを持ってきて隣で始めるんです。親の姿を見て勉強する
習慣がつく効果はあるかもしれません。

さて、せっかくのフランス語ですが、今のところ使い道がありません。教材で
紀行などを読んでいるうちに、行ってみたい気持ちも少〜し出てきましたが、
何しろ超がつく出不精なもので、実現は当面難しそうです。

まとめますと、「心を向けて、15分〜20分×1年間勉強法」は、忙しい大
人が、新たに何かを身につけるための方法論として有効といえる結果が得られ
ました。

但し、「心を向けて」が必須で、実はここがいちばん難しいところかもしれま
せん(その点、私のフランス語はちょっと危ういところがありました)。
結論としてはありきたりになってしまいますが、「打算でなく、ほんとうにや
りたいことを選ぶこと」が、大人の勉強法成功の鍵、とも言えそうです。


■ こどもといっしょにサイエンス ━━━━━━━・・・・・‥‥‥………

野菜で維管束を観察

子どもと一緒に身近なもので理科実験を楽しむシリーズです。
今回の実験は「維管束(いかんそく)」を観察します。

維管束、ということばはおぼろげに記憶にあると思います。植物の茎の断面に
ポチポチと存在する模式図がありましたよね。双子葉と単子葉では並び方が違
うとか・・・そう、あれです。

教科書に載っているのは顕微鏡写真ですが、顕微鏡はなくても大丈夫。肉眼で
見えるような、太〜い茎を見ればいいんです。

用意するものは、スーパーで売っている野菜と赤インク、以上!です。
野菜は、ダイコン、セロリ、アスパラガスがお勧めですが、その他の野菜でも
いろいろやってみると面白いと思います。
もしわかれば、単子葉類と双子葉類、茎と根っこを取り混ぜて選んでください。

スーパーでセロリを買って来て、赤インクを水で薄めてバケツなどに入れ、包
丁でカットした野菜の切り口をつけます。
そのまま数時間〜1日置いてから、観察してみましょう。

例えばセロリの場合、赤インクがどこを通っていったのかが一目瞭然です。
「スジ」にあたるところが、真っ赤に染まっていて、
「セロリのスジって、維管束だったんだ!」ということがよくわかります。

赤インクを吸い込んだ野菜を、包丁で輪切りにしてみましょう。
赤く染まっている部分が維管束の導管にあたる部分です。

セロリの場合、食べる部分は葉柄で、弧を描くように維管束が並んでいますが、
もし手に入れば、根元の断面が○になるところを観察すると、維管束が等間隔
に、円形に並んでいることが確認できます。

こういうパターンを「真正中心柱」と言い、双子葉植物の特徴です。

ではアスパラガスはどうでしょうか?
アスパラガスの場合は、維管束が茎の中にばらばらに散らばっていて、円形に
並んでいません。

こういうパターンを「不正中心柱」と言い、単子葉植物の特徴です。
アスパラガスって、単子葉類だったんですね〜。

では、ダイコンはどうでしょうか?
ダイコンは双子葉植物のはずなのに、なんかちょっと違う・・・。

実は、同じ双子葉植物の中でも、根はちょっと違う「放射中心柱」という構造
を持っています(ダイコンは、根っこですから!)。

こんな調子で、いろいろな野菜を観察し、スケッチしてまとめるだけで、自由
研究が完成しそうです。

でも、もっと興味が出てきて、いろいろな植物の、いろいろな部分の維管束を
観察したくなって、顕微鏡があったらいいのになあと思うことがあったら、ネ
ットで「携帯顕微鏡」を探してみてください。1,000円くらいから、おも
ちゃのようでも十分使える顕微鏡が手に入ります。写真は接眼レンズのところ
にデジカメを当てれば撮れます。

また、スマホのレンズのところにクリップで挟むだけの顕微鏡レンズもいろい
ろな種類が売られています。ピントを合わせるのがなかなか難しいですが、う
まく合うととてもきれいな写真が撮れるし、持ち運びにも便利です♪

蛇足ですが、赤く染まった野菜を捨てるのはもったいない・・・と思う場合は、
食用色素や、紫キャベツの汁などで実験するといいかもしれません(うまくい
くかどうかは未確認ですが)。

調理の際、切っても切っても維管束が見えることで、「維管束はつながった管
なんだ!」ということが実感できます。

この実験を行うにあたり、参考になりそうなサイトはこちらです。

維管束の観察
http://www.ons.ne.jp/~taka1997/education/2002/biology/11/index2.html

植物組織の観察
http://natural-history.main.jp/Education/Plant_anatomy/plant_anatomy_
top.html

セロリとアスパラガスで実験
http://www.dokidoki.ne.jp/home2/jr5bun/rikajyugyou/ikansoku2.html


■ リ ー ゾ か ら の お し ら せ ━━━・・・・・‥‥‥………

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7月13日10時〜11時半「応募書類と面接のポイント」
研究者さんのハートにヒットする応募書類の作り方と、 面接時のポイント
をお伝えします。

7月20日10時〜11時半「廃棄物の取り扱いとラボの清掃」
研究を妨げずにラボの整理整頓・清潔を保つコツと、作業者の身を守るため
のポイントを座学で学び、 廃液処理に必要な「中和」を実習します。

両方ともまだお席あります。
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27年産の「ヘビーユーザー向け30kg入り玄米」は早々に売り切れてしまい
ご迷惑をお掛けしています。28年産の田植えが終了し、収穫のめどが立って
きましたので、ご予約受付を開始します。

ご希望の方は、若干のご説明事項がございますので、まずはリーゾまでご連絡
ください。お値段は30kg1袋21,600円(税・送料込み)です。


■ 編 集 後 記 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………

○ふと思い立って、美食同玄米のFacebookページを作りました。すると、それ
までつながりのなかった方からの「いいね!」がたくさんついてびっくり。
健康によい食品への関心の高さを改めて感じました。情報発信の場として活用
していきたいと思っていますので、よかったら一度覗いてみてください。

https://www.facebook.com/bisyokudogenrice/

○海外でプレゼンする研究者さんへの耳寄り情報です。『研究成果をしっかり
伝える場面別 英語プレゼンのフレーズ101(口頭発表編)』(オンライン動画
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(牛久の翻訳会社・ワールド翻訳サービスさんのサイトです)

○メダカ入り、ブクブク要らずのアクアリウムのオーダーを、ご近所のお店か
らいただきました。ご指定の容器は大きなビアグラスです。さっそく飾ってく
ださって、ブログに載せていただいていることを発見しました。とてもうれし
い出来事でした。末永く可愛がってもらえますように!

http://blogs.yahoo.co.jp/finlaggan0220/37135034.html
(「フィンラガン」さんのブログです)

○最後までお読みいただき、ありがとうございました。これからも、リーゾと
すいすい通信をどうぞよろしくお願いいたします。          



すいすい通信は、「株式会社リーゾ」のお客様、および関係者の皆様にお送り
しています。この号は648名様に配信しました。
お知り合いで、「すいすい通信」の配信を承認していただける方がいらっしゃ
いましたら、ぜひご紹介くださいますよう、お願いいたします。
配信登録はこちらからできます↓

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【すいすい通信】

発 行 日:月1回・第1水曜日(予定)
発行開始日:2011年4月7日

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