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    ☆ すいすい通信  ☆  vol.74 2017年5月3日配信 
          
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こんにちは。リーゾの門奈です。

さわやかな新緑の季節となりました。大型連休はどのように過ごされましたで
しょうか。休み明けは仕事が溜まってお忙しいと思いますが、ちょっと休憩の
ひととき、コーヒーのお供にお読みいただければうれしいです。
それでは、今月の「すいすい通信」をお届けします!

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・研究者さんのお悩み解決・・・・・・・・実験用種子を催芽させるための袋
・零細起業の経営実務・・・・・・・・・・・かなり奥が深い!『接客』入門
・実験補助者への道・・・・・・・・・・・人間関係のトラブルを避けるには
・リーゾからのお知らせ
 
          
■ 研究者さんのお悩み解決 ━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………

実験用種子を催芽させるための袋

3月下旬、稲作農家では、種籾を水につけて発芽の準備をします。リーゾがお
世話になっている農家さんでは、網でできた大きな巾着袋に種籾をどっさり入
れて、温室内の大きな容器(よく見ると、中古の風呂桶)に水を入れて、どっ
ぷりと、数日間漬け込みます。農家さんは「冷やす」と表現しますが、この工
程で、発芽がよく揃うんだそうです。

種を発芽させる必要があるのは、研究でも同じなのですが、研究の場合、数多
くの系統(個体)を扱います。それぞれの種子を、ひと粒たりとも他のものと
混ぜないようにしなくてはならないので、芽出しひとつにも非常に気を使わな
くてはなりません。

で、研究者さんはそれぞれ知恵を絞り、いろいろな方法を編み出していらっし
ゃるわけですが・・・。

リーゾでは、交配袋で使っている不織布の「丈夫で、よく水を通し、記名もで
きる」という特性を生かして、研究専用の催芽袋をお作りしています。

構造は、6センチ四方ほどの小さな部屋が10室つながった帯のようなもの。
上側は、種子を入れやすいように、1センチずらして開口しています。
小さな部屋に、数粒〜数十粒の種子を入れ、温度調整した半田ごてで封をして、
お使いになっているそうです。

播種するときには、ハサミで開封して種を取り出します。数多くの系統を、少
人数で短時間に播種することができると喜んでいただけてます。

催芽袋として使うにあたっては、
『60℃の温水浸漬(消毒用)にシール部分が耐えられるかどうか?』
が気になるところでしたが、無事にテストをクリアして採用に至りました。

お値段の方は、当初のご相談が「1枚(1室)あたり10円程度」とのことで、
それを実現するために「10室つながりのシート」をご提案しました。1室ず
つ切り離すと、カット、チェック、計数、帯かけの工程が必要なため、最低で
も1枚35円(税別)かかってしまいますが、10室シートなら87円(同)、
1室あたり9円弱でできることになりました。

1枚ごとに11回の熱接着を行うので、腕が筋肉痛になってしまうのが難点で
すが、ご依頼があれば喜んでがんばります。

ちなみに、系統数が少ない場合には、交配袋を好きな長さにカットして芽だし
袋として使うこともできますよ。

催芽袋をご紹介したブログ記事はこちらです(写真入)
http://rizo-inc.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/post-a06c.html

※当時は「通常タイプ」の不織布を使っていましたが、現在は「薄手」も使っ
ています。「薄手」の方が水が良く通るのでお勧めです。お値段は同じです。



■ 零 細 起 業 の 経 営 実 務 ━━━━・・・・・‥‥‥……… 

かなり奥が深い!『接客』入門

起業を考えている研究者さんに、リーゾの経験をお伝えしているシリーズ。今
回は、研究者さんにはあまり関係ないかもしれないのですが、店頭販売する際
の接客についてのお話です。

リーゾの主なお客様は全国の農学系研究者さんで、お客さまとのやり取りは、
99%がメール。直接お会いすることは、ごくたまにしかありません。人見知
りするタイプで、営業なんて絶対向いていません。リーゾなら、そのやり方で
ずっと行けるから安心だと思っていました。

でも、美食同玄米を売り始めて、そうは行かなくなりました。最近では試食販
売イベントなどで、お客さまに積極的に声を掛け、説明して、お勧めして、買
っていただく、という(以前の自分からしたら)とても信じられないことをや
っています。

もちろん、最初は思いっきり緊張していました。
「ご試食いかがですか?」と声を掛けて、無視されたり、断られたりすると、
やっぱり傷つくんですよね・・・。笑顔もひきつってしまったりして。

でも、習うより慣れろで、数をこなしているうちに、いつの間にかリラックス
して声を掛けられるようになり、断られても気にしないでいられるようになり
ました。何事も経験ですね。

駆け出し販売員として試行錯誤していることを、ちょっとご紹介します。

試食の場合、お客さまが小さなおにぎりをつまんで口に入れ、もぐもぐしてい
る間の10秒ほどが勝負。ここを沈黙するのはもったいないし気まずいので、
このおにぎりがどういうものなのかを10秒でわかりやすく説明できる「スク
リプト」(ってほどでもないですけど)を考えています。

たとえば、

『古代米とコシヒカリを掛け合わせて作った、玄米食専用の新しいお米なんで
す』

これで5秒。後半は、お客さまに合わせて、
『黒い部分は、ポリフェノールなんですよ』
とか、
『お通じが改善して、美肌効果もあるんです』←あくまで個人の感想です
とか、
『玄米ごはんなのに玄米臭くないでしょう?』
とか、アレンジしてお伝えして、合計10秒。

お客さまがしゃべれる状態になったら、「お味、いかがですか?」と聞きます。
大概は、おいしいと仰っていただけて、何かしら質問したり、コメントしたり
してくださるので、少しおしゃべりや説明をします。

今のところ、ここまでは順調に来れるようになったのですが、ここからご購入
に至る「売り込み」はまだまだダメ・・・。

「ごちそうさま」と立ち去るお客さまを、引き止めることができません。リー
フレットやレシピ集を差し上げられればまだいいほうです。
売らんかなと思われるのは嫌だなあ、という余計な自意識がまだあるのですね。

でも、リーゾはこれでいいのかもなあ、とも思います。

「しゃべりがうますぎると、信用できないと思われる」とも言います。人見知
りの理系女がとつとつと良さを語るからこその信頼感、というのもありではな
いかと。そんなことを言っていると生き残れないかもしれませんが。

ところで、接客していてわかった意外なことは、
『たくさんしゃべらなくて良い(むしろ聞くのが大事)』
ということ。商品の良さを伝えたくて一方的にしゃべっても、お客さまには届
かないんですね。どちらかというと、お客さまがたくさんお話してくださった
ときの方が、ご購入に至りやすいと感じています。

お米とはあまり関係のないご自分やご家族の話を、うれしそうになさるお客さ
ま、結構多いんです。いろんな話をぐるーっと回って、最後にお米の話に戻っ
て、「じゃあ、ひとつもらっていくわ」となること、多いんですよね。これは
きっと、お米が欲しいわけじゃなくて、話を聞いてもらったお礼なのかなあ、
と思ったりもしますが。それでもうれしいものです。

これから経験を積んでいくなかで得られることはたくさんあるはず。ずぶの素
人の挑戦は新鮮なことばかりです。気づいたことを、またお伝えしていきたい
と思います。


■ 実 験 補 助 者 へ の 道 ━━━━━━・・・・・‥‥‥………

人間関係のトラブルを避けるには

主婦を対象として、研究機関で働く実験補助者を育成する活動を始めて7年目。
どんな内容のことを行っているのか、気になる研究者さんも多いのではないか、
ということで、「実験補助者への道」と題して少しずつお話ししていきたいと
思います。

今回は、ボスである研究者さんとの上手な付き合い方や、ラボのメンバーとの
トラブルの避け方について。研究者の読者さんにはショッキングな表現もあり
ますが、あくまで「そういうひともいる」という話ですので、ご了解ください。

実験補助セミナーの受講生さんが、聞きたいけどなかなか聞けない質問のひと
つが、「研究者さんって変人が多いのでは?」。就職先のボスが変人では困る、
という気持ち、わかります。

研究所で働く研究者の多くは、会社員のようにスーツで通う必要がなく、服装
はいろいろです。その結果、身なりに気を使わない人も多く、中にはかなり怪
しい見た目の方もいます(ヒゲや頭髪がぼうぼうだったり、短パンにサンダル
で仕事していたり・・・)。

社会経験が大学と研究所だけ、と言う場合には、いわゆる社会人教育を受けて
いないので、仕事上の他人との接し方がちょっと変わっている方もいます。
(敬語が使えないとか、職場の電話に出ても「はい」しか言わないとか・・・)

いまはコンプライアンスが厳しいのでいませんが、かつては部屋にヌード写真
のカレンダーをかけたり、セクハラっぽいことを無邪気に仰る方もいました。

でも、彼らには決して悪気はなく、不審者なわけでもありません。
社会人ずれしていなくて、純真で、正直で、まっすぐなんです。

また、研究の仕事以外の好きなことをプロ並みに究めている方が多いのも特徴
です。こういう方には、ツボにはまった質問をすると、非常に喜ばれます。

結論としては、どの職場にも言えることではありますが、心からの「敬意」と
「礼儀」を持って接すること、主婦力を駆使してつかず離れずうまく付き合う
こと、に尽きると思います。

研究室のほかのメンバーとの人間関係のほうはどうでしょうか。

まずは既存のパート(実験補助者)さんに受け入れられることが重要です。そ
して、ボス以外の研究員さんや、ラボで預かっている大学院生などの学生さん
もいます。基本的にはこれも、「敬意」と「礼儀」で大丈夫なのです。

注意しなくてはならないのは、上下関係と、指示系統。
同じラボにいても、別の組織だったり、予算が別だったりすると、上下関係や
指示系統は単純ではなく、例えば自分の予算で雇った実験補助者なのに、他の
研究者に指示を仰いだりすると、気分を害してしまうこともあります。
とはいえ最初は仕方がないので、主婦力でうまくフォローしましょう。

ラボは人間関係が狭く、メンバー同士のいさかいは、ボスにとって最大の憂鬱
と言っても過言ではありません。こじれてどちらが辞めるかみたいな話になれ
ば、新入りの非常勤は圧倒的に不利。なので、人間関係のトラブルは未然に防
ぎ、こじらせないことが最重要。そのためには、時には不本意でも謝ったほう
が賢いこともあります。

こんなときは・・・自分は女優だと思っちゃえばいいんです!(←極意?)

余談ですが、「オバサン」的な明るさは、ラボにとっては救いになる部分が大
きいと感じます。実際に、明るい人を希望する研究者さんはとても多いんです。
あくまでも知的な職場なのでやりすぎは禁物ですが、自信を持って、ありのま
まの自分で挑戦できる仕事です。


※実験補助セミナーは、いよいよ5月17日より新しいクールが始まります。
研究機関で働きたい方とのご縁をお待ちしています。
また、派遣登録をご希望の経験者さん、実験補助者を紹介して欲しい研究者さ
んもお気軽にご連絡ください。

http://www.rizo.co.jp/seminer.html


■ リ ー ゾ か ら の お し ら せ ━━━・・・・・‥‥‥………

○実験補助セミナーのご案内

2017年度の実験補助セミナー@リーゾの受講生を募集しています。月1回、
全8回で、バイオ系の実験補助者として必要なスキルを身につけ、需要の多い
経験者レベルを目指します。文系出身者歓迎です。

第1回は5月17日(水)10時〜11時半。現在のお申込は2名です。

詳細・お申込はリンク先またはお電話(029-852-9351、平日9−16時)で。

http://www.rizo.co.jp/seminer.html


○こどもの日イベントのご案内(つくばのお客様へ)

イオンモールつくば内の農産物直売所「えるふ農国」にて、「めだかすくい」
を行います。

日時:5月5日(金・祝) 10時〜15時(メダカがなくなるまで)
場所:えるふ農国 正面玄関横の半屋外スペース
参加費:1回200円  
※お持ち帰りは2匹まで。すくえなくても1匹もらえます。

金魚すくい用の「ポイ」でメダカをすくう、ただそれだけですが、意外と難し
いかも・・・? 大人の挑戦も歓迎です!

えるふ農国(えるふのくに)の情報はこちらです。
http://tsukuba-aeonmall.com/shop/detail/425


○今年の「美食同玄米」栽培状況をお知らせしています

今年の「美食同玄米」は、いつもお願いしているつくば市栗原の中泉さんのと
ころで5反、今回からお願いするつくば市平沢の筑峯学園さん(松島さん)で
5反、新潟魚沼の大島さんのところで1反、計11反作付けする予定です。

苗作りの様子を、ブログやFacebookに随時アップしています。よかったら時々
覗いてみてください。

Facebook
https://www.facebook.com/bisyokudogenrice/

ブログ記事(苗作り)
http://rizo-inc.cocolog-nifty.com/blog/2017/04/post-710c.html



■ 編 集 後 記 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………

○先月号は、まさかの「様」つけ忘れで大変失礼いたしました。お詫びのメー
ルに対し、慰め、励ましのお返事をたくさんいただき、かえって恐縮した次第
です。素敵なお客さまに恵まれている幸せを改めて実感しています(とはいえ
甘えすぎは禁物ですよね。今後は気をつけます)。

○4月16日(日)に、銀座1丁目の「茨城マルシェ」にて、美食同玄米の試
食販売を行ってきました。初めての東京進出、しかも銀座!ということでドキ
ドキしましたが、たくさんの方が快く試食に応じてくれて、評判も上々でした。
帰りに名物の「いばらキッスのイチゴパフェ」をいただきました。1200円
とちょっとお高い(銀座価格?)ですが、イチゴたっぷりで美味しかったです。

○ちょっとフライングの告知です。以前、実験教室の連載でお世話になった、
KUBOさんとのコラボで、子供向けの実験キットの商品化を進めています。美し
い光の実験ができるキット各種を、Amazonで買えるようにする予定です。夏休
み自由研究に間に合うようにがんばります。もちろん、おなじみのDNAすいす
いfor Kidsも出しますよ〜。

○最後までお読みいただき、ありがとうございました。これからも、リーゾと
すいすい通信をどうぞよろしくお願いいたします。          



すいすい通信は、「株式会社リーゾ」のお客様、および関係者の皆様にお送り
しています。この号は736名様に配信しました。
お知り合いで、「すいすい通信」の配信を承認していただける方がいらっしゃ
いましたら、ぜひご紹介くださいますよう、お願いいたします。
配信登録はこちらからできます。
http://rizo.sakura.ne.jp/vd/entry/e/bS8PtaC5kPRXp3iy/



【すいすい通信】

発 行 日:月1回・第1水曜日(予定)
発行開始日:2011年4月7日

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【発行元】

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